2009年7月21日(火)~22日(水)
佐野邦彦
4月から超多忙な部署へ異動となり、連日会議会議の部署ながら、大事な会議を欠席して、行きましたよ、皆既日食に。はっきり行って、皆既日食の方が大事でした。しかし最短で行くしかないので選んだのは1泊2日の弾丸ツアー、大枚はたいたのにテント持参のプランしかなく(旅行会社はぼろ儲け)、amazonでテントを買って、いざ、奄美大島へ。
大学生の子供二人は試験の真っ最中で検討外、妻は連休明けで仕事は休めない(これが当然の選択...)、私は一人で奄美へ向かいます。石垣島と宮古島へ通い続けて早10年、南の離島命の私ですが、奄美は初めてなので、どんな海なのか、それも楽しみでした。
ただし天気予報は悪く、皆既日食当日は曇りの予定、案の定、トランジットの鹿児島は大雨で、着いた奄美もどんよりと曇り、いきなりテンションは下がりました。なんとかテントサイトで手伝ってもらってテントを張った後、空港からの道すがら見えた海へ行きたくて、タクシーを呼んでビーチへ移動します。まずは食事と、食べたかった鶏飯(メチャ美味しい!)を食べ、ビーチへ出ると、みるみる青空に。珊瑚礁の海は、陽が注がないと翡翠色に輝かないのですが、絶好の天気に思わずにんまり。水着は持ってきていないので、ビーチを見下ろす柵に腰掛け、ビールを飲みながら、ただうっとりと海を眺めていました。海を渡る風が心地いい!沖縄でもこの風があるので、日陰さえあればパラダイスです。
アダンの木の下を探してそこに滑り込めばOK.なんですが、奄美ではちょうどいい休憩場所が作ってありました。日が傾いてようやくテントへ戻り、夕食は近くのコンビニで調達します。近くと言っても徒歩15分はかかるのですが、そこの弁当の量にビックリ!沖縄と同じで、おかずもごはんも東京の1.5倍はあります。いや2倍かな。そして安い。どちらかと言えば大食の私でさえ、全部は食べきれず、残しました。
関係ない話ですが、そのコンビニで大好物の「金ちゃんヌードル」を見つけ、荷物になるのに思わず数個、買ってしましました。沖縄では超ポピュラーなこの金ちゃんヌードル、東京ではほとんど入手できません。毎月、買出しに行っている沖縄食材の店「わしたショップ」でも、金ちゃんヌードルが徳島産なので扱ってくれません。なぜ徳島のものが南の島の定番なんですかね。
テントから見えた夜空は満天の星空。月が出てないからいいんだな、あっそうか、皆既日食だから新月か、なんて自問自答している内に寝てしまいました。明け方目を覚ましてさっそくテントの外に顔を出すと、いつの間にかすっかりと曇り空になっていて、ちぇっ、天気予報は正確だなと舌打ちしてしまいました。ただ雲はそんなに厚くないので、太陽は透けて見え、「おぼろ太陽」状態。日食の初期は日陰も出来るほどでした。少し期待できるかな。テントサイトでは、物凄い望遠レンズを付けたカメラがずらりと並び、参加者の気合が伝わってきます。しかし食分が9割くらいになると、陽が弱いのか、雲が厚くなったのか、もう日陰も出来ず、肉眼で太陽をしっかりと見続けられます。そしてテントサイトの放送で皆既日食のカウントダウンが始まります。5、4、3、2、1、ゼロ、消えた。光が消えただけ。ほぼ真っ暗。いきなり夜になりました。あの黒い太陽とフレアはまったく見えず、闇が周りを包みます。その暗さは尋常でなく、陽が沈んでしばらく経ち、夜の帳が下りた時のようです。時刻は昼の11時なんですから、これは不思議な体験でした。
そして本来ならダイヤモンドリングが見える「第3接触」のカウントダウンが始まります。ゼロと同時に暗闇がピカリと光り、これはきれいでした。そしてパラパラと気の無い拍手が聞こえてきます。それはそうでしょう。万難を排し、大金をかけてようやくやってきたのに、肝心な黒い太陽が見られなかったのですから。特に気合十分のカメラ撮影隊のみなさんは気の毒でした。ただ、あの不思議な闇が体験できたこと、「第3接触」の太陽の光が雲越しでもきれいだったことで、大マケで50点としておきましょう。
今回の皆既日食はあの悪石島を始め、屋久島、種子島、小笠原もダメで、陸地で見られたのは、奄美の隣の喜界島だけだったそうです。You tubeで見ましたが、喜界島は、うす曇りながら黒い太陽が見えていましたね。雲の厚みと角度が違うと見えたんだと、隣の島だっただけに、うらやましさが残りました。来年、皆既日食が見られるイースター島は遠すぎて無理としても、3年後のケアンズに行ってみようかな...。
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