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2009年1月20日火曜日
東京ローカル・ホンク:『クワイエット・ロックンロールの世界』 (MINE'S RECORDS/MR-002)
ミュージシャンズ・ミュージシャンの鏡的バンドとして知られる、東京ローカル・ホンクが初のライヴ・アルバムをリリースした。
このアルバムは、ライヴには定評がある彼らの最近(07、08年)のベスト・パフォーマンスより厳選された10曲から構成されており、古きよき70年代アメリカン・ロックを愛する音楽ファンにも大いにお勧めできる。
2007年のセカンド『生きものについて』から約1年を経てリリースされたこのライヴ・アルバムは、その『生きもの・・・』から2曲、ファースト・アルバム『東京ローカル・ホンク』から5曲、そしてバンド改名前の"うずまき"名義のアルバム『ヒコーキのうた』から3曲がライヴ演奏で収録されている。
彼らのオリジナル曲では最高峰のグルーヴを持つ「ブラック里帰り」で幕開け。いきなりの展開に早くも手に汗を握ってしまう。2台のギターの絶妙なコンビネーションと、重くバネのあるリズム・セクションの緊張感あるプレイは、ライヴならではの素晴らしさで言葉では伝えきらない。 続く「虫電車」はダウン・トゥ・アースしたアメリカン・ロックから、STAX~HIなどサザン・ソウルのエッセンスを感じせる草の匂いがするナンバー。初期ニール・ヤングを彷彿させる、うずまき時代の代表曲「ヒコーキのうた」も味わい深い。この2曲はまるでライヴ会場で聴いているかと錯覚させるほど、木下のヴォーカルとメンバーのコーラスワークなども含め、そのサウンドに包み込まれてしまった。
後半の「社会のワレメちゃん」と「カミナリ」では、スタジオ・ヴァージョンでは味わえないスリリングなインタープレイが楽しめるのだが、こういう瞬間にこそメンバーのミュージシャンとしての力量が発揮されていて、このバンドの価値を一際高めているのだ。 個人的には掛け値無しに、リトル・フィートの『Waiting For Columbus』あたりを引き合いに出したくなるほど一級品の演奏だと感じてしまった。 まずは本作を入手し聴き込んだら、是非ライヴ会場へ足を運んでもらいたい。 何より彼らはライヴ演奏を楽しみたいバンドであるから。
(ウチタカヒデ)
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