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2008年10月23日木曜日

☆Small Faces:『beat beat beat THE SMALL FACES』(ABC/ABCVP109DVD)DVD☆ Kinks:『beat beat beat THE KINKS』(ABC/ABCVP107DVD)DVD

数ある60年代のUKビート・グループの映像でも、この『beat beat beat』のシリーズは最高だ。というのもリアル・ライブであり、かつTV用なのでラインで録音されていて、観客はいるものの曲間に余計な歓声が入ってこないため、スタジオ・ライブとしても楽しめる。このTVはドイツの番組で、画質、音質とも極めて良好である。

なぜ、スモール・フェイセスの方をトップに持ってきたかというと、196610月の収録で全てデッカ時代の曲ばかりなのだ。「Hey Girl」、「All Or Nothing」、「Whatcha Gonna Do About It」、「Sha-La-La-La-Lee」の4曲がリアル・ライブなんて、涙なしには見られない。この時代はみな口パクでデッカ時代は「All Or Nothing」くらいしか見られなかったので、一気に4曲が見られるなんて夢のようだ。まだ髪が短くマッシュルームになっていないスティーブ・マリオットの姿が素敵で、そのマリオットが目一杯ソウルフルに「Whatcha Gonna Do About It」を歌ってくれた時にはあまりのカッコ良さにクラクラしてしまった。ロックの映像でこんなに胸が熱くなったのはフーの『The Kids Are Alright』を見た時と同じで、つまりロック映像の最高のものがここで見られるのだ!ロニー・レーンの掛け合いのコーラスも野太くてカッコいいし、ケニー・ジョーンズのドラムも素晴らしい。デッカ時代のスモール・フェイセスは最高だ!そしてキンクスである。キンクスは「A Well Respected Man」、「Milk Cow Blues」(「Please」と表記されている)、「'Til The End Of The Day」、「I'm A Lover Not A Fighter」、「You Really Got Me」の5曲で、もちろんリアル・ライブ。収録は196511月で、この時代のリアル・ライブはいくつか存在するものの、5曲もまとめて見られるなんてこれも夢のよう。黒のタートル・ネックのレイ・デービス、髪の毛は前髪を揃えて短いのであまりカッコよくはないが、サウンドはギザギザしていてビートが満ち溢れ実に素晴らしい。2曲でデイブ・デービスがリード・ヴォーカルを取るのは、この時代、デイブがもて男だった事を示している。デイブのリード・ギターはヘヴィでソリッドであり、上手いギタリストだと改めて感じることができた。そして「You Really Got Me」は、ライブで聴くと今でも通用する重量感と切れ味があり、これらの曲を書いたレイ・デービスの才能には感服するばかり。天才だね。この2枚のDVDNTSCでリージョン・フリーなので誰でも見られる。タワー・レコードで通販で買えるが、2枚で4200円は高い。日米のアマゾンでは売っていないが、amazon.co.ukでは売っていて送料込で13.57ポンド、つまり2200円ちょっと買える。そして注文からたったの5日で到着したから、これはamazon.co.ukで買いでしょう。(佐野)

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