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2008年10月1日水曜日
Chocolat&Akito : 『Cupid in Grapefruit』 (スリー・ディー/3DV-1)
現在活動休止中のGREAT3のリーダーでプロデューサーとしても活躍している片寄明人と、モデル出身で声優としても活動中であるシンガーで、片寄の奥様であるショコラのユニット、Chocolat&AkitoのライヴDVDがリリースされる。
本作は昨年11月9日、10日と二日間に渡って、舞浜Club IKSPIARIにておこなわれたライヴ・イベント"Cupid in Grapefruit Vol.1&2"から厳選された演奏に、NY在住の女性アーティスト、デボラ・ジョンソンがヴィジュアル・アートを織り込みDVD編集を施した、非常に画期的なライヴDVD作品である。 過去にVANDA編集部監修のディスクガイド・ブック『SOFTROCK THE ULTIMATE』(2002年・音楽之友社刊)のインタビュー企画にも登場頂いた片寄氏は、ソフトロックをはじめ60~70年代ポップスへの造詣の深さで知れられる音楽通アーティストであるが、2000年のソロアルバム『HEY MISTER GIRL!』ではそんな一面を色濃く反映しており、その延長線上にあるのがChocolat&Akitoでの活動といえる。
女性ソロシンガーとして97年にデビューし、これまでに5枚のアルバムをリリースしているショコラも、そんな片寄氏からの影響を受けつつ、自らもソングライターとしてChocolat &Akitoのアルバム毎に成長しているようで、お互いに啓発し合う理想的な音楽家夫妻として、今作を含めた今後の活動に大いに期待できるだろう。
さて前置きが長くなったが、これまでに『Chocolat&Akito』(2005年)、『Tropical』(2007年)と2枚のアルバムをリリースしている2人のユニットであるが、今回のライヴDVD『Cupid in Grapefruit』には、『Chocolat&Akito』から4曲、『Tropical』から6曲、そして片寄の『HEY MISTER GIRL!』から2曲の計12曲が選ばれており、音源についてはエディット無しのライヴ・ミックスのレアで生々しいプレイが堪能出来る。
ライヴでのバンド編成はChocolat&Akitoの2人と、ドラマー栗原務(Little Creatures)とギタリスト清水ひろたか(The Cornelius Group)の手練なプレイヤー達がサポートするベースレスのシンプルな編成で、タイトで計算された栗原のドラミングとリヴァーブの効いた清水のエレキギターが独特な空間を演出している。
またライヴ当日のヴィジュアルを担当したデボラ・ジョンソンのアート・ワークも、サポートを超えたコラボレーションという部分で大いに評価すべきだ。今回のDVD化に当たっての編集作業でもその効果は特筆すべきものがあり、特に「Blue Tuesday」や「Walking in the Park」のヴィジュアル演出の完成度は高い。
現在彼女はNY在住で、これまでにウィルコやスフィアン・スティーヴンスのライヴ・ヴィジュアルを担当するなど、海外のミュージシャン達からも信頼されている女性アーティストである。
最後に本作のパッケージにも触れておこう。限定生産の特殊仕様ボックスの中には、手書きのセットリスト、ポストカード4枚、バンドメンバーのフォトシート、ステッカー、ブローチが納められていて、よりスペシャル感を漂わせている。
音楽好きの大切な人へのギフトにも最適かも知れない。10月10日リリースなので気になった人は早速予約しよう。
(テキスト:ウチタカヒデ)
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