今回紹介する『光る石』と名付けられた自主製作ミニアルバムは、ジャズヴォーカリストの伊藤ふうかと作編曲家の洞澤徹が2005年に結成したアコースティック・ユニット、manamanaのファーストアルバムである。
両人共に職業音楽家、ヴォーカリストとして活躍しており、そこから裏打ちされたお互いのエッセンスが醸し出され、実に味わい深い作品に仕上がった。
彼らは2006年に、筆者が監修と共同プロデュースを担当したコンピレーション・アルバム、『Easy Living Vol.1』(本アルバム未収録の「たとえば」を収録)への参加を皮切りに活動をスタートさせ、その後クラブやカフェでのライヴを活発的におこなってきた。 今回の『光る石』はそんな彼らの布石となるべきミニアルバムである。 冒頭の「悪戯」は古きよきボッサのマナーと伊藤のジャジーなヴォーカルを活かしつつ、職業作曲家である洞澤の技巧的なソングライティングがひかる曲。 タイトル曲はユニット結成時、最初に取り掛かった記念碑的曲で、80年代末期以降のリッキー・リー・ジョーンズを彷彿させる。次の「密かな願い」は「悪戯」と同様に、ソングライティングの巧さに耳がいく、昭和歌謡を思わせるラインも見え隠れするのが心憎い。 ラストの「平和の夢」は伊藤のけだるいヴォーカルが素晴らしく映える曲で、彼女の魅力が一番現れているかも知れない。
現在この『光る石』はdiskunionのネットショップかライヴ会場でしか入手出来ないので、興味をもった方は是非アクセスして欲しい。
また最後に「悪戯」の自主製作PVを紹介しておこう。異国の裏町で撮影されたかのようだが、撮影地は千代田区と中央区の某所らしい。両人の風貌も無国籍的で異彩を放っている。
diskunion ネットショップ 『光る石』 URL
(ウチタカヒデ)
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