このアルバムに出会ったのは今から10数年前、このどサイケなジャケットで普通は敬遠することろだが、Nichols-Asherのクレジットの「Always You」を見つけてターンテーブルに乗せてみると、オーケストラの美しいリードメロディに導かれ、力強いビートに乗せた深い音像に彩られた実に魅力的な歌が現れ、数あるソフトロック系のロジャーニコルスのカバーの中でも秀逸な出来栄えの傑作カバーを聴くことができた。そしてソリッドなアコースティックギターのカッティングが素晴らしい美しいボサノヴァ「Edge Of Love」と、ジャケットのイメージとはまったく違う華麗なソフトロックナンバーがさらに現れ、本当に驚かされたもの。すぐに『ソフトロックA to Z』の本で紹介したのが1996年、ただ紹介したもののこんなマイナーなアルバムに本当に誰が出会えるのだろうと思っていたが、こうしてCD化されるのだから、紹介してみるものだ。Rev-Olaはこの前にもGordian KnotのアルバムをCD化しており、さらにその前はSandy Salisbury,Curt Boettcher,California,Eternity's Children,Roger Nichols&The Small Circle Of Friendsなどをリイシュー、VANDAフォロワーとして多くの名盤をCD化してくれた。さてこのアルバム、オリジナルでは「Ring Out Wild Bells」がキャッチーなフックを持つポップナンバーでなかなかの出来栄え。さらにブラスが映えるサイケなロックナンバー「Sunny Day People」が彼らの真の実力を示してくれた。バラエティに富んだこのアルバムだが、これだけ無名なミュージシャン達がこれだけのレベルのアルバムを作っていたなんて、さすがはアメリカである。LPを持っていない人は、購入してみよう。(佐野)
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