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2007年2月1日木曜日

☆Brian Wilson:『A Tribute To Brian Wilson』(ビデオアーツ/VABG1226)DVD


グラミー賞を運営しているレコーディング・アカデミーが、誰からも福利厚生面の支援を受けられない個人事業主であるミュージシャンに対して、困窮した時の無償の支援を行うために設立したのがミュージックケアーズという組織である。そのミュージックケアーズが音楽界に多大な貢献をし、慈善活動、社会のためにも奉仕した人物をPerson Of The Yearとして表彰しているのだが、2005年にはブライアン・ウィルソンが選出された。授賞にあたってチャリティ・コンサートが実施され、その模様を収録したのが本DVDである。ブライアンをリスペクトするミュージシャン達がブライアンの多くの曲をカバーし、華やかなライブになた。まずはレッドホット・チリペッパーズが「I Get Around」を歌い、その完コピぶりにまずビックリ。ボン・ジョヴィのリッチー・サンボラは「City Blues」で、こちらはその渋い選曲にビックリだ。ソウルフルなジェイミー・カラムとスレッド・マーティン&リーヴァイト・キャンプによる「Sail On Sailor」もいいが、何よりも持ち前のハーモニーを聴かせてくれたバックストリート・ボーイズの「When I Grow Up」に心を奪われてしまった。バッキングがあるものの、これはアカペラだね。マイケル・マクドナルド&ビリー・プレストンの「Don't Worry Baby」は、ビリー・プレストンらしいオルガンのプレイが楽しめる。ジェフ・ベックはなんとギター・インストの「Surf's Up」に挑戦する。さすがというプレイで聴かせてくれるが、ちょっと音が抜けてしまったミスが残念。アース・ウィンド&ファイヤーは黒くソウルフルな「Don't Talk」でこれも楽しめたし、ダーレン・ラブは変わらぬ声量で「Wouldn't It Be Nice」を披露し、そのポジティブな歌声で会場を一気に明るく照らした。そしてブライアン&ブライアン・ウィルソン・バンドで「Pet Sounds」、「Heroes And Villains」、「Good Vibrations」、「Fun Fun Fun」、「Love And Mercy」の5曲を歌うが、演奏、ハーモニーといつもながら完璧で、本当に素晴らしい。こんなうまいバッキングがいるのだから、ブライアンはビーチ・ボーイズとは一緒にプレイできないな。最後のブライアンのソロに近い「Love And Mercy」を聴いて、ブライアンの歌の力がこんなに戻っているなんて、ソロ活動を始めた時と比較し、感動しながら聴き入ってしまった。素晴らしいよ、ブライアン。また新しいアルバム、出してくれないかな。なおこのDVD、曲のMCの日本語字幕が欠けていて、そこが残念。値段の安い輸入盤で十分かも。(佐野)
トリビュート・トゥ・ブライアン・ウィルソン [DVD]

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