今、なんとレイ・デービスはニュー・オーリンズに住んでいるそうで、そこでの生活をヒントに書き上げたものだそうだ。プレスでは「初のソロアルバム」とのことだが、85年の『Return To Waterloo』はキンクスの曲が含まれ、2005年の『Thanksgiving Day』は全5曲のミニ・アルバムなので外すとしても、98年の『The Storyteller』は語りがあるからソロ・アルバムじゃない訳?まあレイ先生がそう言うんじゃ仕方ないや。7年ぶりのアルバムということは確かで、久々のリリースだったが、レイ・デービスのシニカルな視点は健在で、実に味わい深い1枚だった。「The Tourist」はニュー・オーリンズの事を歌っているのだろう、喧騒と猥雑な空気に包まれた生き生きとしたスラムを、ニヤニヤとしながら観察しているレイの姿が目が浮かぶようだ。マスコミの記事に踊らされて、真実が見えなくなっている我々を歌った「Other People's Lives」、およそ思索とか思慮とかに無縁になっていまった現代社会を痛切に皮肉る「Stand Up Comic」なんて、レイ・デービス以外書けないだろう。特にヘヴィなギターがある訳ではないが、これこそロックだ。レイ・デービス、カッコいいな。いつでも私の一番好きなヒーローだ。(佐野)
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