ブライアン・ウィルソンの娘であるカーニー・ウィルソンのソロ・アルバムがようやくリリースされた。ようやく、というのは彼女のソロは『For The First Time』というタイトルで、何年か前から予定されていて、amazonでも予約を受け付けていたからだ。しかし、ずっと発売されることはなく、このアルバム自体はお蔵入りになったようだが、カーニーは自分の子供をもうけたことから、「子守唄」をイメージしてこのアルバムを企画、こうしてめでたくリリースされたのである。自分のご主人のギターをバックに、父親のブライアンと共演し、姉妹のウェンディ夫妻から曲をもらい、さらに叔父のデニス、カールの曲をカバーして、実にウォームフルなアルバムが出来上がった。まずは目玉であるブライアンとの共演曲「You Are So Beautiful」を紹介しよう。デニスの愛唱歌として知られるこの名曲、ブライアンは時々リードヴォーカルを取りながら全てのバックコーラスを担当、うっとりとしてしまうようなドリーミーな1曲に仕上がった。基本的にアコースティックギターをベースにシンプルに作られたこのアルバムは、カーニーのしっとりと落ち着いた歌声と相まって、まさしく「子守唄」になり得る「母の贈り物」になった。心に染みるカールの「Heaven」、ウェンディに加え母親のマリリンにダイアン、ジンジャーという「ハニーズ」がバックコーラスに加わったデニスの名曲「Forever」は美しく、文句なしの仕上がりだ。カーニー夫妻が書いた「When You Dream」、ウェンディ夫妻が書いた「With The Sun」はともに優しさ溢れるきれいなチューンで心地よい。ストリングスの調べとカーニーの声が溶け合った「Over The Rainbow」,夫のギターだけをバックにしっとりと歌われる「What A Wonderful World」,ジム・ブリックマンがピアノを弾いた「A Mother's Prayer」など、聴きどころは多くお薦めだ。(佐野)
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