2006年4月24日月曜日

Radio VANDA第73回選曲リスト(2006/5/4)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。



特集:Beatles MONO特集Part1


1.She's A Woman...(カウント入り。ただしStereo)

2.The Night Before

3.I'm Looking Through You

4.What Goes On

5.I'm Only Sleeping

6.Yellow Submarine

7.Got To Get You Into My Life

8.SGT.Peppers Lonely Hearts Club Band(Reprise)

9.Lucy In The Sky With Diamonds

10.Back In The USSR

11.Ob-La-Di Ob-La-Da

12.While My Guitar Gently Weeps

13.Blackbird

14.Honey Pie

 

 

2006年4月1日土曜日

☆Beatles:『The Capitol Album Vol.2』(Capitol/094636033525)

ビートルズのアメリカ編集盤を集めたこのシリーズ、かつて東芝EMIの人は、第2弾は中止になったと言っていたが、予想外に?無事にリリースされた。しかし、この第2弾を今は買うべきではない。というのも、『Rubber Soul』のモノラルが、ステレオ盤のモノ落としというとんでもないミスをおかしているからだ。このシリーズ、何が貴重かというと、ただのアメリカ編集盤というだけではなく、その当事のステレオマスター、モノマスターのどちらも入れたため、このシリーズでしか聴けない貴重なミックスが容易に得られたからだ。例えば第1弾の『Something New』のモノでは、「When I Get Home」のサビの"till I walk"は歌い方が違ってハッとするほどだったし、「Any Time At All」の間奏ピアノの入り方が遅れていた。『Something New』のモノだけではなくまだCD化はされていない米サントラ盤『A Hard Day's Night』にも収められているものも入れると「And I Love Her」のヴォーカルがシングルトラック、3番の後に1番の歌詞を歌う「I'll Cry Instead」などがあり、誰でも聴いて分かる貴重なこれらのヴァージョンは、アメリカ盤以外で聴くことは出来ない。こうした違いは、この第2弾では『Rubber Soul』が目玉で、イントロを2回も間違える「I'm Looking Through You」はアメリカ編集盤のステレオのみ収録だったので無事入っていたが、フェイドアウトが長くモノ以外では聴けない節回しが楽しめる同曲のモノ・ヴァージョンは、冒頭にも書いたとおり、ステレオのモノ落としだったため、収録されていない。このVol.2は米英盤とも同じミスだったため、Capitol/EMIは交換用訂正ディスクを無償で配布すべきである。日本盤は遅れて出るが訂正されたとしてもCCCDだろうし、早くちゃんとしたものを出して欲しい。ビートルズは私にとって出合った小学校6年の時から30数年間に渡って常にナンバー1をキープしている最重要アーティストなのだ。(一番好きなのはビートルズ、一番気になるのがビーチボーイズ)ただ、世間にもの凄い専門家が多いのでそちらにまかせておけばとweb VANDAでビートルズ関係はほとんど取り上げてこなかったが、今回は記事にさせてもらったしだい。とにかく要注意!(佐野)
The Capitol Albums Vol.2 (Long)

☆Moody Blues:『Days Of Future Passed』(Deram/983215-0) ☆『In Search Of The Lost Chord』(214-7) ☆『On The Threshold Of A Dream』(215-3) ☆『To Our Children's Children's Children』(215-6) ☆『A Question Of Balance』(98377)

ムーディーブルースの1枚目から5枚目のアルバムが、ボーナストラック満載でリイシューされた。デニー・レーン時代のムーディーブルースは別バンドとしてカウントする気がないので、ジャスティン・ヘイワードがデニーと入れ代わってから作られた『Days Of Future Passed』こそがムーディーブルースのスタートなのである。ムーディーブルースは中学時代から私のフェイバリット・グループだった。だから思い入れは深い。そう、1970年、中1の時に初めて買った「ミュージックライフ」に、タイトルは忘れたが「プログレッシヴ・ロックの2大グループ ムーディーブルースとピンクフロイド」という特集があり、学校で洋楽の最先端にいると自負していた私は、これは誰よりも早く聴かなければならないと、記事を読み終えるとすぐにレコード店へ向かっていた。当時LPは容易に買えなかったので、シングルがないかと探したら「Candle Of Life/Question」というあまりに素晴らしいカップリングのシングルがあり早速購入、その美しいメロディとメロトロンが奏でる幽玄のサウンドにすっかり魅入られたのである。ちなみにピンクフロイドはシングルがなかったので翌月に清水の舞台を飛び降りる覚悟でジャケットのインパクトに惹かれた『原子心母』を購入、これも大当たり。その後は未聴であっても「ミュージックライフ」に好感触の記事が載っていてさらにレコード店でジャケットに惹かれるとLPをいきなり買ってしまう「賭け」を続けることになってしまった。EL&Pの『タルカス』とかイエスの『こわれもの』など当たりが続き、「このグループを発見したのは俺だ!」なんていうチューボーの幼い優越感を満たしてくれていた。本題に戻ろう。どうも昔の話をつい書いてしまうのは年のせいかもしれない。このムーディーブルースは何度かリイシューされているが、紙ジャケになったくらいで(個人的に紙ジャケは興味なし)、ボーナストラックが入ったことはなかった。しかし今回は5枚のうち3枚はボーナストラックのみのディスクがプラスされ2枚組になり、残る2枚も数曲のボーナストラックが入り、デジパックのジャケットの中には貴重な写真と詳細な解説、歌詞まで入ったブックレットが付き、完璧な仕上がりだ。では順に、未発表の音源のみ簡単に紹介しよう。まず『Days Of Future Passed』から。「Tuesday Afternoon,Dawn Is A Feeling,The Sun Set,Twilight Time」はそれぞれ別ミックスなどとあるがほとんど違ってはいない。ただしオーケストラが被ってこないので貴重だ。後はBBCラジオのセッションの7曲で、シングル曲や「The Nights In White Satin」、「Peak Hour」などのスタジオ録音の別ヴァージョンが聴ける。驚いたのはアニマルズが歌ってヒットしたバリー・マン作の「Don't Let Me Be Misunderstood」をカバーしていたこと。そしてなんとリードヴォーカルはジャスティンだった。『In Search Of The Lost Chord』はまず冒頭の「Departure」のエンディングが次の曲のイントロと被らないため、ひたすら上昇していく部分まで聴けて思い白い。ヴォーカルがダブルトラックになっている「The Best Way To Travel」、フルートのソロが加えられている「Legend Of A Mind」、「Visions Of Paradise」のカラオケ、バックにメロトロンが入っている「The Word」、最後のアカペラのコーラスが長く入っている「Om」がアルバムと違うテイク。さらにシングルB面曲の「A Simple Game」は、本来マイク・ピンダーがリードヴォーカルを取っていたが、ジャスティン・ヘイワードがヴォーカルを取ったヴァージョンが入っていたのには驚かされた。さらにBBCのライブは「Top Gear」に出演した時の4曲が入ったが、その中の「Ride My See-Saw」は、エレキギターとベースが小さいためか、リズムパターンがまったく違って聴こえ、印象がまったく違っていた。もう一つ、BBCの「The Afternoon Pop Show」用に「Tuesday Afternoon」が録音されていて、こちらも一聴して違いが分かるスタジオ録音別ヴァージョンだった。そして『On The Threshold Of A Dream』。冒頭の「In The Beginning」はSE音が1分20秒も長いフルヴァージョン。イントロのベースのリフの分だけロングヴァージョンになった「So Deep Within You」、ヴォーカルが違うと書かれているものの同じくレズリー・スピーカーでヴォーカルが電気的に変えられているため違いが分かりにくい「Dear Diary」、分割されないオリジナルの姿の「Have You Heard」、前と後ろが被っていない「The Voyage」のオリジナルが、アルバムとの別ヴァージョン。次いでBBCでは「Top Gear」出演時の「Lovely To See You」と「Send Me No Wine」はオーバーダブ前といった雰囲気の違いが感じにくい完成されたテイク。「The Tony Brandon Show」の「So Deep Within You」は逆にヴォーカルがシングルトラックで冒頭から違いが分かった。ただし同じショーの「Are You Sitting Comfortably」はシンプルなため違いが分かりにくい。いよいよ私が最も好きなアルバム『To Our Children's Children's Children』へ行こう。まずは「Gypsy」だ。この緊張感溢れる名曲は、エンディングがずっと長く収められていてフェイドアウトしないでライブのように終わる。最後には笑い声も入っていた。そして超名曲「Candle Of Life」だ。この曲もエンディングがずっと長く入り、マイク・ピンダーのピアノが楽しめる。「Sun Is Still Shinning」もエンディングが長いがこれは同じリフの繰り返しなのでインパクトは低い。残りはBBCの「David Symonds Concert」のライブが8曲(「Have You Heard」からのメドレーがあるので実質10曲)あり、これはようやくお客の前にしたリアル・ライブで、スタジオ録音とは明らかに違うライブが楽しめる。1974年の初来日コンサートに私は足を運んでいるが、その時と同じく「Are You Sitting Comfortably」から最後までの『On The Threshold Of A Dream』メドレーがここでも核になっていて、そのリアルなライブのサウンドに当事の感動を思い出してしまった。最後は『A Question Of Balance』。まずは驚きの当事の未発表曲「Mike's Number One」。タイトルのとおりマイク・ピンダーの曲だが、マイクにしては明るい曲想で、特徴に乏しいのでお蔵入りになったものと思われる。そしてこれも名曲中の名曲「Question」の別ヴァージョン。冒頭のメロトロンやバスドラの音が入っていないのでジャスティンのギターワークがじっくり味わえる。その後は「Minstrel's Song」、「It's Up To You」、「Don't You Feel Small」、「Dawning Is The Day」だが、それぞれ曲の冒頭と最後に前の曲や次の曲が被っていない。『A Question Of Balance』はその被りがひどい編集をされていたので、貴重な収録と言えよう。この4曲の中ではシングルB面にも入ったジャスティンの「It's Up To You」が何と言っても素晴らしい。つい先日、私の子供の高校の入学式の話だが、そのW学院の学院長の挨拶のキモは『「It's Up To You」の精神』で、仕切りに語られる「It's Up To You」に、ムーディーブルースの曲が頭を渦巻いてしまったのは私だけだろうか。ここまでリリースされたということは残り2枚、『Every Good Boy Deserves Favour』と『Seventh Sojourn』のリリースが今から楽しみである。(佐野)

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