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2005年11月1日火曜日

☆Various:『LIVE8』(東芝EMI/TOBW3271-4)DVD

今年の72日、全世界で30億人が見たと言われるロックの歴史的イベント、「LIVE8」のDVDが4枚組みのボックスでリリースされた。発起人は20年前に「LIVE AID」(このタイトルにも引っ掛けている。巧い!)を実現させたボブ・ゲルドフで、やはりその当時と同じく、アフリカの貧困を救済すべく企画されたイベントだった。丁度この時にイギリスで開催されていたサミット、G8の首脳に向けて企画されており、事実、G8の首脳から毎年250億ドルの予算の増額をアフリカのために引き出すことに成功している。もちろんこのイベントだけで決められたものではないだろうが、無視できない大きな存在であったことは間違いない。さて、この世紀のイベントはこのDVDだけでも70アーティスト、100曲以上、10時間以上が収録されており、とても紹介しきれないので、VANDA向けのアーティストのみ、取り上げさせてもらおう。
オープニングとエンディングを飾るポール・マッカートニーは、ここでも存在感を見せる。
オープニングでU2と共演した「SGT Pepper's Lonely Hearts Club Band」はオープニングとして最高のアクトだ。バックのホーンセクションが、アルバムと同じ服装、同じヒゲを付けて演奏していて、演出もいい。このSGT Peppersはこのイベント全体の演出になっており、ジャケットやレーベルにはSGT Peppers風の服装を着せられたG8の首脳が大きく写っていて、ディスク2のレーベル半分は小泉首相だった。「Get Back,Drive My Car,Helter Skelter」と続くロックナンバーは60歳過ぎとはとは思えないほどパワフルで、十分に聴かせてくれた。ポールと同じく前回も出演したフーは「Who Are You,Won't Get Fooled Again」の2曲。日本公演と同じような雰囲気で、ピート・タウンゼンドのカッコ良さが際立ってていた。体型が崩れないのがさすがだ。ブライアン・ウィルソンは「Good Vibrations」の1曲のみ。あのビリビリの手の動きがカッコ悪いが、演奏はいい出来栄えだ。ただこのDVDのハイライトは何といってもピンク・フロイドだろう。長い間仲たがいしていたメンバー4人全員が本当に久々に顔を合わせ、そして演奏もするなんて信じられない思いのファンも多いだろう。ロジャー・ウォーターズがデイブ・ギルモアに電話をして出演が決まったそうで、一夜限りの夢が実現した。「Speak To Me,Breathe,Money,Wish You Were Here,Comfortably Numb」の5曲に加え、ロジャーとデイブがアコースティック・ギター歌うリハーサル風景まで収められていて、ファンならずとも涙ものだ。髪の毛が伸びロマンスグレーになったロジャーは、どうみてもリチャード・ギアで、こんなに似ているとは思わなかった。(ということは小泉首相にも似ていることになる。)強面のデイブはジャック・ニコルソンみたい。ピンク・フロイドの美しいサウンドに久々に酔わせてもらった。(佐野)
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