2005年10月1日土曜日

☆Peppermint Rainbow:『Will You Be Staying After Sunday』(Collector's Choice/CCM611-2)


タイトル曲の「Will You Be Staying After Sunday」を始め、素晴らしいソフト・ロックのシングルをリリースしていた男女混成コーラス・グループ、ペパーミント・レインボウの唯一のアルバムが、そのままリイシューされた。プロデューサーのポール・レカの卓抜したポップ・センスが発揮された好盤で、ソフト・ロックの傑作アルバムのひとつだが、冒頭でも書いたようにこのグループの本領はシングルだった。ここには収録されていないシングル曲、ニール・セダカ作の胸のすくような快作「Good Morning Means Goodbye」と、そのB面でポール・レカ作の「Don't Love Me Unless It's Forever」、そしてその後のポール・レカ作のシングル「You're The Sound Of Love」はどれも傑作中の傑作ばかり。これらをボーナス・トラックで入れれば、このアルバムは最強の名盤になったのに...。コレクターズ・チョイスでは無理か。さてこのアルバムではやはりアル・カーシャ作の高揚感に満ちた「Will You Be Staying After Sunday」が圧倒的に素晴らしい。アルバムで聴くと歌が終わった後にオーケストラによる壮大なリプライズが出てくるので、この曲はアルバムで聴く方が絶対にいい。次に気に入っているのがバーンスタイン=ミルローズ作の「I Found Out I Was A Woman」。メロディに心引かれるフックがあり、軽快で胸がときめくようなサウンドはまるでペパーミント・レインボウのために書かれた曲のよう。ポール・レカ作の雄大な「Rosemary」もいい。オリエンタルなテイストがいい味を出していて、冒頭のオーケストレーションは、往年の東映動画長編アニメーションを見ているかのようだった。哀調を帯びたポール・レカの「And I'll Be There」もコーラスとサウンドが一体となって聴きごたえがある。(佐野)
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