2005年4月26日火曜日

☆Ray Davies:『Return To Waterloo』 (Koch/79820)

85年にレイ・デーヴィスが製作・出演した同名の映画のサントラで、レイ初のソロ・アルバムが本作。今までなぜか未 CD 化のままだったが、ようやく CD 化された。ちなみに映画の方は98年にとっくに DVD 化もされていた。
アルバムはレイとデイヴの間が一時的に険悪になった時に録音されたので、デイヴがいない「キンクス」で録音されたもの。だから3曲がほぼ同時期にリリースされたキンクスの『Word Of Mouth』に流用されていて、キンクスのアルバムといっても過言ではない内容である。
「Not Far Away」などはいかにもアリスタ時代のキンクスのソリッドでヘヴィなサウンドが楽しめる。
アコースティックな歌い出しからヘヴィなドラムのバッキングに変わっていく「Expectations」、ナレーション入りのレイらしい軽いタッチのクロージング「Voices In The Dark」もいいし、オールディーズ・タッチの「Lonely Hearts」は異色のサウンドで面白い。
映画のタイトル曲「Return To Waterloo」はレイらしい哀愁を帯びたバラードで、自家薬籠中のもの。
なお、ここに収録された「Sold Me Out」はキンクス・ヴァージョンと違って一番の歌詞がまったくない短縮板。キンクス・ヴァージョンはみなオーバーダブされているので、サウンドも微妙に違う。
なおこの翌年の映画『Beginners』にレイは父親役で出演し、ソロで「Quiet Life」のシングルを発表しているが、こちらはレコード会社が違うので残念ながら収録されていない。(佐野)
    

Expectations
                                

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