2005年4月26日火曜日

☆Bangles:『Bangles Greatest Hits』 (Legacy/CVD49053) DVD

かつて LD が出ていたバングルスのプロモーション・ビデオ集が DVD 化された。
85
年にデビューしたバングルスは86年から89年の3年余りの間に2曲の全米1位を含むトップ5に入る大ヒットを5曲放った人気ガール・グループだった。
ポップでキャッチー、ビートも適度にあるし、何よりもスザンナ・ホフスの美貌を武器に彼女らはすぐに先輩格のゴーゴーズを凌ぐ人気を得た。バングルスはオリジナルも多いが、ポイントに外部ライターを起用してヒットを稼ぐという賢明な手法を取っていた。
プロモーション・ビデオは、MTV 全盛期のものなのでどれも映像的にも楽しめる。前座のバングルスに観客の人気を取られ怒り心頭のリトル・リチャードや、バングルスが乗ったタクシーの運転手が「ミスター・スポック」だったりと、見所は多い。冒頭のメジャー・デビュー・シングル「Hero Takes A Fall」では、メンバー全員がほぼ均等にカメラが当たっているが、大ヒットとなった「Manic Manday」よりスザンナ・ホフス中心にカメラが回っていくのがいかにもメジャーの作戦。60年代のサイケデリック・ムーブメントをパロディ化した「In Your Room」もいいが、やはりカダフィ大佐もあの独特のエジプト踊り?をする「Walk Like An Egyptian」がベストかな。
まあ、やはり映像はスザンナ・ホフスに尽きるといってもいいだろう。
さらに見たい人は以前このコーナーで紹介した「Saturday Night Live 25 Years Of Music」か、スザンナ・ホフス主演の映画『The Allnighter(Anchor Bay/DV10870)といった DVD も見てみよう。
なおこの DVD はリージョン・フリー。(佐野)
グレイテスト・ヒッツ [DVD]
                                 

☆Ray Davies:『Return To Waterloo』 (Koch/79820)

85年にレイ・デーヴィスが製作・出演した同名の映画のサントラで、レイ初のソロ・アルバムが本作。今までなぜか未 CD 化のままだったが、ようやく CD 化された。ちなみに映画の方は98年にとっくに DVD 化もされていた。
アルバムはレイとデイヴの間が一時的に険悪になった時に録音されたので、デイヴがいない「キンクス」で録音されたもの。だから3曲がほぼ同時期にリリースされたキンクスの『Word Of Mouth』に流用されていて、キンクスのアルバムといっても過言ではない内容である。
「Not Far Away」などはいかにもアリスタ時代のキンクスのソリッドでヘヴィなサウンドが楽しめる。
アコースティックな歌い出しからヘヴィなドラムのバッキングに変わっていく「Expectations」、ナレーション入りのレイらしい軽いタッチのクロージング「Voices In The Dark」もいいし、オールディーズ・タッチの「Lonely Hearts」は異色のサウンドで面白い。
映画のタイトル曲「Return To Waterloo」はレイらしい哀愁を帯びたバラードで、自家薬籠中のもの。
なお、ここに収録された「Sold Me Out」はキンクス・ヴァージョンと違って一番の歌詞がまったくない短縮板。キンクス・ヴァージョンはみなオーバーダブされているので、サウンドも微妙に違う。
なおこの翌年の映画『Beginners』にレイは父親役で出演し、ソロで「Quiet Life」のシングルを発表しているが、こちらはレコード会社が違うので残念ながら収録されていない。(佐野)
    

Expectations
                                

2005年4月24日日曜日

Radio VANDA 第 61 回選曲リスト(2005/05/05)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。
 

特集Tokens

1. Portrait Of My Love ('67)
2. Don't Cry Sing Along With Music ('67)
3. I Hear Trumpets Blow ('67)
4. Sunset See My Sadness ('67)
5. It's A Happening World ('67)
6. Till ('68)
7. Go Away Little Girl/Young Girl ('69)
8. Mister Snail ('67) Margo,Margo Medress & Siegel
9. She Lets Her Hair Down ('70)
10. Both Sides Now ('70)
11. I Could See Me ('70)
12. Groovy Kind Of Love - Unreleased -
13. It's Amazing To Be Alive ('68)
14. Droplet Of Water ('68)
15. Greenfields ('68)
16. Wonderful Things ('68)
17. I Could Be ('68)
18. I Want To Make Love To You ('68)
19. Some People Sleep ('68)
20. A Tribute To The Beach Boys'76 ('76) Sands Of Time

 

2005年4月2日土曜日

Alan Jardine: 『Sloop John B-A Pirate's Tale』 (Milk & Cookies Press)


 ビーチ・ボーイズと別行動を取っているアル・ジャーディンが書いたスループ・ジョンBの新しい創作絵本。出だしの部分だけ同じで、後の話はまったく違う、子供向きの内容になっていた。
確かに「drinking all night, got into a fight」じゃあ子供に歌って聴かせられない。この部分は「sailing all night, woke up at first sight」というように、子供が主人公の冒険譚になっている。
そしてこの絵本のポイントは、同梱の絵本のとおりに (動詞、助動詞が一部違うが) アル・ジャーディンが歌う「The Adventure of the Sloop John B」と題された CD である。ビーチ・ボーイズとはアレンジが違い、ハーモニーはほとんどないが、アルのシャープなヴォーカルは健在で、軽快な仕上がりになっている。途中からギターのアルペジオが同じになるので、親しみやすい。プロデュース、アレンジもアル本人。(佐野