2005年3月18日金曜日

☆Various:『Coca-Cola Commercial Songs 1962-89』 (Geneon/GNCP1005)

この2枚組の CD は、日本で最初にコカコーラのCMが放送された1962年から1989年までの27年間のTV,ラジオのCMソングを一気に54曲集めたものだ。
そのほとんどが、初 CD 化どころか初音盤化という夢の企画である。企画と解説は濱田高志さんで、さすがというより言葉がない。
いくら紹介してもキリがないのでディスク1だけに絞って紹介してみよう。
まず68年の加山雄三とザ・ランチャーズの「コークの唄」は、宮崎尚志作曲のお馴染みのテーマのバリエーション。
同年のワイルド・ワンズの「コークと呼べば」は加瀬邦彦作曲のいかにもGSというアマチュアらしさも残るオリジナルだが、同年のヴィレッジ・シンガースの「素晴らしい虹」は筒美京平作曲の歌謡曲テイストのものになり両グループの個性が出ていた。
69年にもワイルド・ワンズは加瀬邦彦作曲で「青い空青いからコカ・コーラ」を作っているが、一気に洗練されたポップ・ナンバーに仕上がっていて加瀬の作曲の進歩が分かる。
71年の鈴木邦彦が作った「The Real Life」は、赤い鳥、トワ・エ・モア、尾崎紀世彦が歌い、世代の移り変わりがよく分かる。同じ鈴木邦彦作では73年の「うるおいの世界」が朱里エイコ、布施明という実力派シンガーが歌って聴きもの。
洋楽好きなVANDAの読者の方には、72年のクック=グリーナウェイ作の「愛のハーモニー」がまずお勧め。
ニューシーカーズでお馴染みの「I'd Like To Teach The World To Sing」のカバーだが、あの森岡賢一郎の編曲であの爽やかさは少しも失われていない。そして個人的なこの CD のハイライトが75年のロッド・マクブライエン作曲の「Coming Home」である。
グレン・キャンベル、ダイアナ・ロス、スタイリスティックスという夢のメンバーが競演し、どれもためいきが出るような素晴らしい出来ばかり。
さらに76年にはB.J.トーマスが同じくロッド作の「Come On In,Coke '76」を歌っていて、このラインナップだけで、絶対この CD が買いだと分かるはず。
ディスク2は矢沢永吉、トランザム、ハイ・ファイ・セット、サーカス、柳ジョージ&レイニーウッド、原田真二、SHOW-YA、EPO、上田正樹などが歌った77年以降のものが収録されていて、サウンド的にもぐっと洗練された名ヴァージョンが並ぶ。まずは黙って買いましょう。(佐野)


0 件のコメント:

コメントを投稿