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2004年12月16日木曜日

☆Simon & Garfunkel:『Old Friends Live On Stage (Deluxe Edition)』 (Warner Bros./48967-2) DVD/2CD

2003年12月のサイモン&ガーファンクルの再結成ツアーを収録した DVD 。
実はこのデラックス・エディションは CD 2枚も付いた3枚組なのだが、 DVD は CD ではカットされた "Keep The Customer Satisfied" や "The 59th Street Bridge Song" とゲスト出演のエヴァリー・ブラザースの2曲も多く収録されたいたため CD はオマケと言ってもよく、 DVD と呼ぶことにした。それでいてアマゾンで2707円なのだから安い!
   DVD はツアーのハイライトとなったニューヨークのマディソン・スクウェア・ガーデンとニュージャージーのステージを中心に構成したもので、剥げ頭に近くなったポール・サイモンと、年をとってバック・トゥ・ザ・フューチャーのドクのような風貌になったアート・ガーファンクルの二人の姿にまず驚かされた。
しかし冒頭が "Old Friends/Bookends" だよ。歌は70歳の旧友を歌っているが、今の二人は62歳、そう、もう歌を書いてから35年も経っていたんだね。いつの間にか、歌の世界と同じになっていた二人。歌は時代を超え、歌を愛する人に囲まれ、こうして二人は万雷の拍手の中で歌ったんだ。なんて素晴らしい旧友なんだろう。もう冒頭だけで泣けてしまった。
彼らが存在していた1970年の時は私は中一だった。ビートルズが好きな私、ローリング・ストーンズが好きなThe Sidewinderこと中原寧君、そしてサイモン&ガーファンクルが好きな坂本君は、よく渋谷の坂本君の家に集まってはレコードを順にかけて聴いていたものだ。
当時は「~派」のような壁があって、なかなかお互いの好きなものをストレートにほめにくかったものだが、私はどれもみな好きでひそかにレコードを買っていた。そんな坂本君は親の跡を継いで医者になったが、若くして病気で亡くなってしまった。23年ぶりにサイモン&ガーファンクルが集まってアルバムも出したよ、そんな事を坂本君に知らせたくて。少し余計な事を書いてしまいました。
アート・ガーファンクルの声は僅かにかすれているが、やはり天使の声だ。ポール・サイモンの歌に最も映える。披露された S&G の26曲はどれも名曲揃いで、曲の力だけでも感動したが、当時のアメリカの理想と希望、矛盾と絶望を描いた歌を聴きながら、今のアメリカをこんな視点で描けるミュージシャンがいるのだろうかと、ふと思ってしまった。
ボーナス映像は70年のTV『Songs Of America』からの6 曲が楽しめる。 "Bridge Over Troubled Water" , "The 59th Street Bridge Song" はリハーサル、ライブでは "Mrs.Robinson" , "The Sound Of Silence" , "For Emily,Whenever I May Find Her" はフル、 "Homeward Bound" , "The Boxer" は一部が見られ、貴重な当時の映像に釘付けになってしまった。
特に "For Emily~" でのポールのギターの上手さとアートの歌の美しさが印象的だし、また歌詞の違う "The Boxer" の一部も必見。
とにかく迷わずこの DVD を買いましょう。(佐野)   

                                 

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