2004年6月25日金曜日

Radio VANDA 第 51 回選曲リスト(2004/07/01)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。



特集Neil Young Part.2 (CSN&Y)

1. Tell Me Why ('70)
2. After The Gold Rush ('70)
3. Only Love Can Break Your Heart ('70)
4. Southern Man ('70)
5. Birds ('70)[Alternate Version]...Single Only
6. Oh Lonesome Me ('70)[Long Version]...Single Only
7. Country Girl ('70)...CSN&Y
8. Ohio ('70)...CSN&Y
9. Heart Of Gold ('72)
10. War Song ('72) ... Neil Young & Graham Nash
11. Pushed It Over The End ('74) ...
イタリア盤LP12枚組ボックスのみ収録。74年の再結成ライブ。

 

2004年6月23日水曜日

コレクターズのオリジナル・アルバム、ボーナス・トラック満載で、紙ジャケで登場!

最近新作のリリースがなく、ライブ活動中心のコレクターズだが、彼らのオリジナル・アルバムが全11枚、レーベルを超えテイチク4枚、日本コロムビア7枚が6月から9月にかけて一気にリイシューされる。
まず6月は初期の6枚がまとめてリリースされた。テイチク/Baidis時代の4枚と、日本コロムビアに移籍した小西康陽プロデュースの『Collector Number 5』の5枚は、私の宝物だ。
60年代のブリティッシュ・ロック/ポップが好きなリスナーにとっては、この時代のコレクターズの曲に心を奪われないはずはない。
それもすべてオリジナル、コピーではなく、その時代の最良のエッセンスが、あの手この手でぎっしりと込められている。
とにかくポップ、一発で引き付けてしまうメロディラインがあり、タイトなビートと華麗ななギター、でも歌詞はシニカル、もう最高である。
テイチク時代の4枚にはなんと19曲ものボーナス・トラックが入り、この内の10曲が未発表のライブ。他はリミックスなどで充実していた。
日本コロムビアの2枚は、シングル盤のみに収められていた曲が7曲収められていて、シングルを持っていなかった人は便利だが、初登場がないので、いまひとつ。
ジャケットもどちらも当時のものとは違うものに変えられていて、日本コロムビアは我が道をいく路線のようだ。
残り5枚のアルバムにはすべてアルバム未収録曲のみが予定されている。
ただし94年以降のシングルにはみなカラオケが収められていたが、そこまでは収録していないし、どうにも中途半端だ。(佐野)
    

PICTURESQUE COLLECTOR’S LAND~幻想王国(まぼろしのくに)のコレクターズ~(紙ジャケット仕様)
                                

日本盤のみボーナスディスク付!☆Who:『Then And Now』 (ユニヴァーサル/UICP9007/8)

 先に紹介したフーのベスト+新曲2曲のコンピ盤だが、この日本盤には素晴らしいオマケが付いていた。日本盤のみ2枚組になっていて、そのボーナス・ディスクに5曲のレア・テイクが収められたのだ。
まるでBest Buyのような嬉しい特典、それもこれもフーの初来日の副産物だろう。
ではまず、完全未発表の3曲から紹介しよう。
まず "Great Shakes" だ。
この短いジングル風の曲は、スバリその名の粉末飲料のラジオCM用に録音されたものである。 "Da Doo Ron Ron" のメロディを使ったいかにも即席の1曲ながら、歴史的価値は高い。67年の録音で、この飲料は他にハプニングス、トーケンズ、そしてヤードバーズなどもCM曲を録音していた。
そして発売中止になってしまった70 年の EP 用の録音である "Postcard" と "I Don't Even Know Myself" だ。
前者は『Odds And Sods』に再録ヴァージョンが収録されたが、こちらがオリジナル。
後者も "Won't Get Fooled Again" の B 面に収められたがそれも再録。再録の方が、アレンジが練られているし、サウンドも厚いし、出来はいいのだが、こういうオリジナルの原型を聴くのはファン冥利に尽きる。
その他ではベスト盤 LP 『Meaty Beaty And Bouncy』に収録されていた "Magic Bus" のモノ・ロング・ヴァージョンで、なぜか CD 化の際には通常版に戻されていた。お馴染みのヴァージョンより1分10秒近く長い。フェイド・アウトしないし、ロジャーのアドリブのヴォーカルも多いし、このヴァージョンこそベスト。
そして73年までイギリス盤『Tommy』に収録されていた "Eyesight To The Blind" の別テイク。お聴きになっていただければすぐに分かるが、ロジャーが1オクターヴ低く歌っている。このヴァージョンはMobil Fidelityが限定で作ったゴールド CD の『Tommy』に収録されていたが、少数しか出回っていなかったため、 LP の方が入手しやすい状態だった。
(佐野)


2004年6月21日月曜日

☆Beach Boys:『Sights And Sound Of Summer』(Capitol/72435-77694-0-2)

 ビーチ・ボーイズのベスト盤 CD と DVD がカップリングされたアルバムだ。
ベスト盤の方は特筆すべきものはない。
ただ、 "Help Me Rhonda" , "Be True To Your School" などが Single Version と書かれているのに、モノのエンディングが長い "Fun Fun Fun" には Single Version と書かれていないし、逆に "Little Deuce Coupe" は、ステレオで短いアルバム・ヴァージョンなのは片手落ち。
さらに "Don't Worry Baby" にはわざわざ Single Version と付けてあるが、 Single Version は僅かにフェイド・アウトが長く、ブライアンの上昇していくファルセットのみがポイントなのに、そこが欠落していて、まったくのいつものヴァージョンなのは問題だ。(このヴァージョンが入っているのは東芝EMIからリリースされていた CD 3枚組の『Beach Boys Single Collection』のみ)
 ところが DVD は充実している。なんといっても1964年の『T.A.M.I.Show』の完全版が見られるところが最高だ。
4曲の内、 "Dance Dance Dance" は一部しか紹介されたことのない貴重な映像だ。スリリングなギター・パートとブライアンのファルセット、そこに絶妙のポイントで入ってくるマイクのバス・ヴォイスがカッコよく、もう最高の出来だ。
その他は『The Lost Concert』や『Ed Sullivan Show』からなどお馴染みのものだが、アルバム『Pet Sounds』自体のプロモーションフィルムは面白い。映像自体は『An American Band』などで見たものだが、これがオリジナルのフィルムなのだろう。
DVD は全10曲。これだけのためにファンは買わなければならない。
(佐野)
   

Sights and Sounds of Summer (CD & DVD) by Beach Boys (2005-05-24) 【並行輸入品】
                                 

☆Brian Wilson:『Gettin' In Over My Head』(Brimel-Rhino/8122-76471-2)



ブライアン・ウィルソンの6年ぶりのスタジオ録音のアルバムがリリースされた。
今回はポール・マッカートニー、エリック・クラプトン、エルトン・ジョンという豪華ゲストの共演、またカールのリード・ヴォーカルの曲も注目された。
さて、結論から言ってしまおう。
このアルバムの点は何点か?個人的には70点。ギリギリ合格点といったところだ。
もっといい曲を集められたのでは?もっといいアレンジができたのでは?という部分がマイナス・ポイントだ。
これだけ充実したライブをこなせているのだから、ブライアンには高い水準を期待してしまう。
エコーが浅めのせいか、ハーモニーに深さがない気もする。
そして『Sweet Insanity』からの曲が、 "Make A Wish" , "Rainbow Eyes" , "Fairy Tale" (= "Save The Day" ), "Don't Let Her Know She's An Angel" , "The Waltz" (= "Let's Stick Together" または "Let's Get Tonight" )と5曲あるが、『Sweet Insanity』のアレンジの方がよかった曲も多い。
特に大好きな "Don't Let Her Know She's An Angel" のイントロのストリングスはいただけない。
ビートも効かせ過ぎだし。本作はビート・ナンバーがけっこうあり、ロック色を出したアルバムなのに、なぜあの名曲 "The Sprit Of Rock'n'Roll" が入らなかったのだろう。
歌詞の内容を変えれば素晴らしい作品になる "Brian" (= "Thank You" )も入れて欲しかった。
次に目玉のナンバーはどうだったか。
エルトン・ジョンがリードを取った "How Could We Still Be Dancin'" は、非常に力強いヴォーカル/ハーモニーとビートが心地いいロック・ナンバーで、アルバムの文句なしのハイライトになった。
カールがリード・ヴォーカルを取った "Soul Searchin'" は、非常にソウルフルな出来で、カールの存在の大きさを改めて感じさせてくれたこれも傑作。
エリック・クラプトンがリード・ギターを弾く "City Blues" は、予想された範囲の出来で、可もなし不可もなし。
最も期待されたポール・マッカートニーとの共演 "A Friend Like You" は、出だしのブライアンとポールが交互に歌う場所など感激したが、曲の展開がブライアンならもっと広がりを持たせられたはずと思ってしまった。いい曲なのは間違いない。でもブライアンなんだからもうちょっと。
ただ、全体的にはいいんですよ。トータルでは『Imagination』よりは好きかな。(佐野)

Gettin in Over My Head                                   

2004年6月16日水曜日

VA:『伊集院光選曲 おバ歌謡』(東芝EMI/TOCT-25389)


 この手のC級(失礼)の発掘音源は、過去にも”幻の名盤解放同盟”の監修によってP-Vineでリイシューされていたシリーズや、TV朝日『タモリ倶楽部』の放送を中心に多く紹介され、好事家の間で大いに話題になったものだ。もうこれ以上レアな音源には巡り会わないと思っていた昨今だったが、今回取り上げる本作で唖然とする未発掘お宝に巡り会えた。

 特に問題作といえるのは、近代ロシアのマエストロ、アラム・ハチャトゥリアン作曲 「剣の舞」に無理矢理な歌詞(なかにし礼先生による)をつけたカバー。ミーコ風でもありミュージカル仕立ての大風呂敷なアレンジと、尾藤イサオの緩急凄まじいヴォーカ ルに苦笑しながらも圧倒される。
 
 またVANDA的に最もお薦めなのは、草刈正雄による「アローン・アゲイン」(ギルバート ・オサリヴァン作)だろう。音質に全く構わない企画モノ(失礼)楽曲が多い中、このソフト・サウンディン・ミュージックはどうだ。そのもその筈で、はっぴいえんどの第一号ミキサーである島雄一氏(ワイルドワンズ島英二の兄)がミキシングを担当している。何とも爽やかナイス・ガイなソフトロックは、マーク・リンゼイの「愛のプレリュード」(ニコルズ&ウィリアムス)を思わせる素敵な仕上がりなのだ。 

 実は筆者は、このコンピレーション企画の基となった、TBSラジオ「伊集院光・日曜日の秘密基地」”おバ・カバー・TOP40カウントダウン”(03年6月15日放送分)もしっかり聴いていたのだが、最も記憶に残ったのが、内山田洋とクールファイブによる「イエスタディ・ワンス ・モア」のカバーだった。
 今回その収録が見送られたのが極めて残念でならないのだが、巻き舌になりつつも木訥な小林正樹のリード・ヴォーカルは、正に”おとぼけ親爺 のソフトロック”というべき希有で忘れがたいスタイルであった事を記しておく。
(テキスト:ウチタカヒデ

トルネード竜巻 : 『アラートボックス』 (スピードスター/VICL-61399)


 難解な解釈かも知れないが、『One Size Fits All』(マザーズ・オブ・インヴェンショ ン)と『古今集』(薬師丸ひろ子)との混血美の様なのが、本作を聴いたファースト・インプレッションである。一筋縄でいかないサウンド・アイディアと巧みな演奏能力が高次元で結晶し、透明感溢れる独特な美を感じさせるヴォーカルがそれに漂うのだ。

 トルネード竜巻は、昨年8月にも紹介した傑作コンピレーション『The Many Moods of Smiley Smile』でも、一際その特異な個性を輝かせていた逸材的バンドで、 インディーズで2枚のミニ・アルバムのリリースを経て、今回のメジャー・デビューに 至った。
 とにかくユニークなアイディアが豊富に散りばめられていて、全く飽きさせないだ。 ロック的なチューニングでアール・ヤング(フィリー・ソウルのシンボル的ドラマー)し てしまったドラミング、サイバーパンクな80年代風ワウ・ギターとクラヴィネットが活躍するニューウェイヴ・ファンクの「ユウグレデスカ」。
 ブライアン・イーノ風のミニマルなエレピ・リフから発展していく不可思議なポップスの「Snowflake」。変拍子のブリッジを持つハード・ロックにテクノポップ的なシーケンスが絡む「Road To Montreux」。
 最もザッパ的で無重力ビートが迷宮へと誘う「さあゆこう~サンクト ペテルブルグの赤い風~」。ブルース進行の実験的なロック小曲の「Mega Bite」でも、ヤング-ホルト・アンリミテッドの「Wack Wack」のフレーズが出て、その恐るべきミクスチュアー感覚には舌を巻いてしまう。

 デビュー作で既にこの次元にあるという事を文章で説明するのは非常に難しいが、音楽マニアを自認して新たなサウンドを追い求めている人は聴くべき作品であろう。
(テキスト:ウチタカヒデ

2004年6月11日金曜日

☆Sandy Salisbury:『Everything For You Vol.1』(Sound City/9014)

 サンディ・サルスベリーの CD は基本的に 2 種類、日英で選曲が違うので計 4 枚、約 36 曲の音源がリリースされていた。
今回の CD は全 25 曲中 18 曲が初登場で、待望の「新発掘」作品集となった。
ミレニウムのメンバーで最もポップな曲を書くことが出来たサンディ。
しかしアルバムでの単独作は1曲のみで、これだけでは特筆できるものはなかったのだが、ミレニウムのメンバーのソロ作品を追っていて入手できた3枚のシングルがとてもキャッチーで気に入ったため、『ソフト・ロックA to Z』の単行本で、アルバムひとつないのに単独ミュージシャンとして紹介したのが96年のことだった。
その当時は、何でこんな無名の人を項目に入れるのと、いぶかしがられたものだが、ほどなくミレニウム、ボールルーム、サジタリアスの未発表音源が次々リリースされ、その中のサンディの作品が期待を裏切らない極上のポップ・ナンバーばかりで、不遜な言い方かもしれないが、目に狂いはなかったと、内心喜んだものだった。
そしてソロ CD までリリースされ、この中にはサンディならではの、一発でリスナーの心を引き付けてしまうポップメロディが詰まっていて、一気にファンが広がった。
たった4枚のソロ・シングルしか残さなかったミュージシャンが、当時のデモだけで 5 枚目のアルバムをリリースできたのだから、この 8 年はまさに隔絶の感がある。
さて肝心な内容だが、未発表の18曲はハーモニーもリズム隊も入っているが、サウンドの軽さは明らかにデモだ。
サンディならではのキャッチーなメロディはそこここに散りばめられているが、サビの展開がいまひとつだったり、これからさらに検討を重ねていけば、ヒット・チューンになりえる原石だと言えよう。
だからとびきりの作品はない。しかしサンディが最もポップ・マインドを持ったミュージシャンであることは間違いなく、十分に楽しめることは保証しておこう。(佐野)
  

Everything for You                                  

2004年6月4日金曜日

☆Various:『宇野誠一郎作品集1』(ウルトラヴァイヴ/1094)

この CD の監修を担当した濱田高志さんと私、そして私と現在こちカメの演出をしている岩本保雄さんとの間で、日本のアニメ・特撮の音楽を話題にした時に共通した認識があった。
それは日本のアニメ・特撮の作曲者で時に好きなのは3人いて、冨田勲、山下毅雄、そして宇野誠一郎だという点だ。
期せずしてまったく同じ選出だったので、驚かされたものだが、壮大な冨田、洒落た山下に比べればよりオーソドックスな作曲・編曲をする宇野を入れたところにキモがある。
暖かみのあるメロディとオーケストレーション、そして大胆なリズムとアレンジ、ありそうでいて他にはないのが宇野マジックだった。ここではアニメの「ふしぎなメルモ」、「長靴をはいた猫」、「さるとびエッちゃん」、「山ねずみロッキーチャック」、「少年ジャックと魔法使い」、「一休さん」、「W3」、「悟空の大冒険」、「まんがこども文庫」、「アリババと40人の盗賊」からの曲を集め、そして中山千夏が歌を歌った企画盤「なぞなぞな」からの曲を追加収録した。
「ムーミン」、「アンデルセン物語」「ひょっこりひょうたん島」などの曲が入っていないがこれは来る第2集のために間違いないだろう。楽しみに待とう。(佐野)

宇野誠一郎作品集

☆Curt Boettcher:『Chicken Little Was Right』(Sound City/9016)

カート・ベッチャーがウェブ ・バレルというミュージシャンと共に、73年のファースト・ソロ・アルバム『There's An Innocent Face』の後に録音した未発表音源集がリリースされた。
ベースは、アコースティック・ギターにカートのヴォーカル、そしてハーモニーというシンプルなものだが、歌い方、演奏はキッチリと作り込まれたものなので、これはデモではない。ベスト・トラックは牧歌的な、カート自身のペンによる "I Call You My Rainbow" だろう。リコーダーの音色も実に爽やかでいい。
全体的にはスタッフが同じなので『There's An Innocent Face』と同じプロダクションで作られていて、続編という印象がある。ただ本作の方が明るい曲想のものが多く、若干華やかな印象が
ある。なお "Astral Cowboys" は『Misty Mirage』にも収録されていたお馴染みのナンバーのリメイクだった。
(佐野)
 
Chicken Little Was Right