ソングライターを志した者なら、誰もが最初のデモ・テープを録音した時のトキメキを忘れる事はないだろう。
溢れ出すイマジネーションは河となり、その流れから掬った一杯の水というべき本作にも同じトキメキを感じさせられるのだ。 セルフ・プロダクションという独特な空間によって描かれる、メンタリティーな世界観は実に瑞々しく美しい。
Like This Paradeは、ブラスを生かした独自のスタイルによるR&B~ソフトロック・テイストのグループbonjour(ボンジュール)で、ヴォーカルとキーボードを担当するミサワマサノリが2002年にスタートさせたソロ・ユニットであり、本作がデビュー・ミニ・アルバムとなる。
サウンド的にはアコーステック・ギターとシンセサイザーを中心として、一人多重コーラスをフューチャーした音作りで、昨今の打ち込みでプログラミングされたものとは一線を画す。生楽器とアナログ・シンセが共存したヒューマンな感触が懐かしくもあり、未来的な小宇宙が展開されるのだ。
冒頭の「air」は、アコギのアルペジオにジョージ・ハリソン風の抑えた感じのヴォーカルがのる印象的な小曲。アルバム中最もソングライティングに優れた「book」や実験的な「An Inaccurate note」には、ポール・マッカトニーの1stや『Smiley Smile』時のビーチ・ボーイズ(ブライアン・ウィルソン)、そのフォロワーたる80年代のルイ・フィリップ等もイメージさせる傑作。英国風で牧歌的なコーラス・アレンジが際だって素晴らしい。 「We know」でも英国の薫りプンプンで、サイケデリックな色彩も加味されている。カンタベリー系サウンドの他、トッドが手掛けたXTCの『Skylarking』が好きなリスナーをも刺激するだろう。
溢れ出すイマジネーションは河となり、その流れから掬った一杯の水というべき本作にも同じトキメキを感じさせられるのだ。 セルフ・プロダクションという独特な空間によって描かれる、メンタリティーな世界観は実に瑞々しく美しい。
Like This Paradeは、ブラスを生かした独自のスタイルによるR&B~ソフトロック・テイストのグループbonjour(ボンジュール)で、ヴォーカルとキーボードを担当するミサワマサノリが2002年にスタートさせたソロ・ユニットであり、本作がデビュー・ミニ・アルバムとなる。
サウンド的にはアコーステック・ギターとシンセサイザーを中心として、一人多重コーラスをフューチャーした音作りで、昨今の打ち込みでプログラミングされたものとは一線を画す。生楽器とアナログ・シンセが共存したヒューマンな感触が懐かしくもあり、未来的な小宇宙が展開されるのだ。
冒頭の「air」は、アコギのアルペジオにジョージ・ハリソン風の抑えた感じのヴォーカルがのる印象的な小曲。アルバム中最もソングライティングに優れた「book」や実験的な「An Inaccurate note」には、ポール・マッカトニーの1stや『Smiley Smile』時のビーチ・ボーイズ(ブライアン・ウィルソン)、そのフォロワーたる80年代のルイ・フィリップ等もイメージさせる傑作。英国風で牧歌的なコーラス・アレンジが際だって素晴らしい。 「We know」でも英国の薫りプンプンで、サイケデリックな色彩も加味されている。カンタベリー系サウンドの他、トッドが手掛けたXTCの『Skylarking』が好きなリスナーをも刺激するだろう。
主な曲はラフ・スケッチ風の小曲で繋がれており、コンセプチャルなトータル感も漂っている。
bonjourではラウンジやカーステ等で聴く、ハッピーなボディー・ミュージックを展開しているが、そのメイン・ソングライターの一人である彼のLike This Paradeは、部屋でひっそり聴いて楽しむヘッド・ミュージックといえる。
こんなバランス感覚を持った日本人クリエイターの登場を大歓迎したい。
因みにLike This Paradeことミサワ君は、bonjourのメンバーとして、9月発行予定のVANDA29号にも登場してくれるので、こちらもお楽しみに。
(テキスト:ウチタカヒデ)
因みにLike This Paradeことミサワ君は、bonjourのメンバーとして、9月発行予定のVANDA29号にも登場してくれるので、こちらもお楽しみに。
(テキスト:ウチタカヒデ)
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