2002年12月18日水曜日

☆Mark Eric:『A Midsummer's Day Dream』(Rev-Ola/18)

 2002年の CD リイシュー大賞が決まった。そう、このアルバムなのである。
(アソシエイションの US 仕様『Just The Right Sound』も同時受賞。勝手に選びました)
マーク・エリックという無名のミュージシャンのこのアルバムを見つけたのが1995年頃。
『ソフト・ロックA to Z』などでプッシュし、中古盤店で値段がついてきて認知されてきたなとは思っていたが、こうして海外でリイシューされるとはファンとして嬉しい限りである。
聴いたことがない人はさっそく購入して聴いて欲しい。
1曲目の "California Dream" を聴けば、それだけでこのアルバムの価値が分かる。
流麗なメロディとサウンド、心地よいファルセットのハーモニー、サーフ・ロックの色を僅かに残しながら、見事なソフトロックに仕上がっている。
哀愁漂うアップの "Move With The Dawn" をはさみ、愛らしいワルツの "Laura's Changing" 、美しいバラード "Where Do The Girls Of The Summer Go" へつながるこの4曲のクオリティはどうだ。
そして6曲目の "Take Me With You" の巧みな転調、メロディ展開はマーク・エリックがいかに実力派のミュージシャンであったかを雄弁に物語る。
ライナーではリリース年が69年8月、時代はこういう音楽を求めていなかった上に、ノン・プロモーションだったこともあり、まったく売れずに終わったが、今その価値は増すばかりだ。
そして何よりも嬉しいのが、ボーナス・トラックである。未発表だった "Place For The Summer" はキャッチーなメロディ、サウンドとハーモニーが見事に一体化した傑作だったし、同じく未発表の "Build Your Own Dreams" は、転調が素晴らしい。
未発表曲が4曲、シングル・ミックスが4曲入ったボーナス・トラックは、高ポイントだった。
このアルバムを作った時、マーク・エリックはまだ19歳、順調に評価されていればと考えてしまったのは私だけではあるまい。(佐野)


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