2002年11月21日木曜日

☆GARO:『アンソロジー1971-1977』(ソニー/MHCL183-4)



ガロの素晴らしい作品集がリリースされた。
このアルバムはガロの全シングルAB面をシングル・ヴァージョンで順に収め、未発表曲、解散後のソロ作品まで追加した究極のベストである。
まず6曲に及ぶアルバムとは異なるシングル・ヴァージョン/ミックスだが、例えば "一人でいくさ" が3分3秒と少し長いなど、こういう細かい所まできちんと配慮されていた。コレクターにはたまらない。
注目の未発表曲は "姫鏡台" と同時期に録音されたというすぎやまこういち作の "春のボート" 。全編スリーパートのハーモニーで歌われるガロらしい爽やかな佳曲である。
ガロ作品ではソロはマーク、トミー、ヴォーカルが各3曲づつ収められた。すべて初 CD 化のレア音源ばかり。
どれも個性が出ていて楽しめるが、個人的ベストはマーク(堀内)のソロ。キャッチーなフックで冒頭から引きこまれる "風の館" 、スリーフィンガーのギターとファルセットのハーモニーが実に美しい "眠い夜明け" 、そして解放感のあるポップなメロディ、サウンドが見事な "銀河旅行" は、トーネイドーズの "テルスター" のフレーズが織り込まれて最高の出来。トミー(日高)は徐々に盛り上がる構成のポップチューン "時の流れに" 、ブラスをフィーチャーしたステファン・スティルス調の "My City Girl" 、初期のガロを思わせるメロウなバラードの "夏の終わりに" で、ガロ初期のトミーの圧倒的なポップセンスまでは発揮されていないが、どれもトミーらしい十分な出来だ。
ボーカル(大野)は彼らしい日本的な香りを色濃く漂わせた3曲。選曲はVANDAでもお馴染みの高木龍太さんで、ソロも含めた完全なディスコグラフィー、詳細な解説もさすがだ。(佐野)

GOLDEN☆BEST/GARO アンソロジー 1971~1977

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