2002年8月26日月曜日

☆コレクターズ:『More Complete Set The BAIDIS Yeasr』(テイチク 35829-30)

コレクターズがテイチクの BAIDIS で残した全音源は、この続編のディスク1で全て収録された。
ただこれだけなら、もともと1stから4thまで持っている我々にはどうでもいいものなのだが、本作のディスク2の内容を見ればビックリ、これはファンならマスト・バイのアイテムである。
まずは『Dance!』というインディ時代のコンピからスタート、ただしこの 2 曲は既に他で CD 化済み。
続いてはこれもインディ時代のオムニバスライブ盤『IKASU!!』から "僕はコレクター" "僕のタイムマシーン" の2曲。スリリングなライブだ。
さらにソンシートのみのリリースだったBike時代の "Too Much Romantic" 。ギターがペダルで鳴り続けるアレンジが新鮮で、コレクターズの実力を感じさせる1曲だった。
後は全て未発表音源ばかり。 "太陽が昇るまえに" の別ヴァージョン、87年から89年のライブが5曲、デモが6曲がそのラインナップ。
それぞれ素晴らしい出来なのだが、その中でも特筆すべきは我々にとって感涙のカバー2曲。
まずはフーの "Substitute" の完コピで、タイトな演奏と歌はカッコいいのなんの。
さらにスモール・フェイセスの "Itchycoo Park" のカバーが登場する。こちらも完コピながら、歌詞は日本語でどうかと思いきや出来は最高で文句なし。曲のポイントを全て押さえているね。さすがだ。
なお、タワーレコードで買うと非売品のビデオが限定で付いており、内容は "太陽はひとりぼっち" のプロモフィルムと、 "僕のタイムマシーン" のライブハウスでのライブの2曲。
後者は物凄いハイテンションの演奏で、最後はコータローがギターを床に叩きつける。デビュー前のコレクターズと思われ、これは必見だ。(佐野)

the collectors more complete set the BAIDIS years

☆Blue Mink:『Good Morning Freedom Anthology』(Sanctuary 530)



ロジャー・クックとマデリン・ベルのデュオ・ヴォーカルを基本としたグループ、ブルー・ミンクは、1969年の "Melting Pot" が全英3位に輝いて以来、1973年の "Randy" まで数多くの全英ヒットを生み出した人気グループだった。
そのヒットを書いたのは当然、ロジャー・クック=ロジャー・グリーナウェイの黄金コンビ。
本 CD は36曲と、今までで最も多く CD 化されたコンピであり、内 15 曲がクック=グリーナウェイ、それぞれが単独で作曲に入っているものを含むと18曲がこの 2 人の作品で、ファンとしてはこたえられない内容だった。ヒットしたクック色が強い "Melting Pot" や "Good Morning Freedom" は、ポップ色を帯びたソウルといった感じで、そういったグループなのかと思っていたら、こうやってまとめて聞くと R & B 色の強いファンキーなナンバーも多く、クック=グリーナウェイの作品でも "Get Up" のようなビート・ナンバーがよりいい出来だった。
クックのグループなのでグリーナウェイ色は薄いが、その中でキャッチーなフックが飛び出す "Randy" はグリーナウェイのセンス全開の快作だった。
またグリーナウェイがクックとではなくDundasなる人物と組んで作った "Where Were You Today" はポール・マッカートニー作といいたくなるような洒落た傑作で必聴。
2曲の未発表曲も含めれているがその内の1曲はなんとジョン・レノンの "Instant Karma" 。ほぼ完コピで、出来が特別いい訳でもないが、何度も聴いてしまった。何て言ったって "Instant Karma" だ、完コピなんて泣けてしまうよね。
(佐野)

Good Morning Freedom: The Anthology

☆Sandy Salisbury:『Falling To Pieces』(Rev-Ola/CRREV5)

 かつて TYO からリリースされていた CD とタイトルからジャケットまでまったく同じだが、このRev-Ola (Cherry Red) 盤は選曲が異なっている。
この英盤の目玉は初 CD 化の "The Best Thing" だろう。サンディ初のシングルで、明るくポップ、途中にアカペラパートもある快作でこの1曲のために買う価値がある。
他ではRev-Ola盤のボールルームの CD に入っていたそのB面の "All I Really Have Is A Memory" と、日本盤の『Sandy』に入っていたがかつてのPoptones盤には入っていなかった "Sweet Sweet Cinnamon" , "Every Minute Of My Life" , "Spell On Me" が収録されたが、なぜか "Married To The Wind "が削られてしまった。そのため、TYO盤も持っていなくてはならないので要注意。(佐野)

フォーリング・トゥ・ピーシズ

☆Turtles:『Happy Together』(Rhino R2 976000) DVD

何年か前にビデオ化されていたタートルズの決定的ヒストリー・ビデオがようやく DVD 化された。
スマサース・ブラザース・ショウでのカラーの "Happy Together" からスタート、前身のクロスファイヤーズの貴重な映像 (マーク・ヴォルマンが細い!) などライブの貴重な映像が満載。
その間にはフロ&エディ(=カイラン&ヴォルマン)のコミカルな掛け合いや他のメンバー、そしてP.F.スローン、スパンキー・マクファーレン、アラン・ゴードン=ゲイリー・ボナー、グラハム・ナッシュ、スティーヴ・スティルス、レイ・マンザレクなど豪華メンバーが次々インタビューで登場し、飽きさせることがない。さすがライノだ。
ライブではフロ&エディのコミカルなやり取りが面白い "You Baby" や "She'd Rather Be With Me" が楽しいが、歌としてはクラフト・ミュージック・ホールでの "Elenore" が、歌とハーモニー、演奏の全てが完璧で最高の出来。タートルズが実力派のグループであることを十分感じさせてくれた。
他では "Somewhere Friday Night" でヴォルマンがギターを弾いていたのもビックリ。
ヒストリー、音楽とも、最高の内容の DVD だ。(佐野)


2002年8月25日日曜日

Radio VANDA 第 29 回選曲リスト (2002/09/05)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。

 
特集:Sandy Salisbury

1. Lonely Girl ... Sagittarius ('68)
2. Magic Time ... Ballroom ('67-'68)
3. A Time For Everything ... Ballroom ('68)
4. The Best Thing ... Sandy ('67)
5. These Are The Children ... Tommy Roe ('68)
6. 5 A.M. ... Millennium ('68)
7. Do Unto Others ... Sandy Salisbury ('69)
8. Come Softly ... Sandy Salisbury ('69)
9. Goody Goodbye ... Sandy Salisbury ('69)
10. Baby Listen ... Sandy Salisbury ('69)
11. Measure Of A Man ... Sagittarius ('68-'69)
12. Falling To Pieces ... Sandy Salisbury ('67-'69)
13. A Little Bit Of Love ... Sandy Salisbury ('67-'69)
14. Bring Me On Back Home Again ... Sandy Salisbury ('67-'69)
15. Navajo Girl(Demo) ... Sagittarius ('68-'69)
16. Rag Doll Boy ... Naked Truth ('70) ※Vocal
Tony Burrows

 

 


2002年8月13日火曜日

☆Various:『Call Me-The Songs Of Tony Hatch』(Sanctuary/536)

イギリスを代表する、いやイギリスの最高峰の作曲家の一人であるトニー・ハッチの待望の作品集がリリースされた。
トニー・ハッチに関しては濱田高志さんが専門だったので、私はおまかせ状態だったのだが、パイの音源が60曲も入って2000円もしないこのコンピをさすがに見逃す訳にはいかない。
 ハッチはパイ・レコードの作曲家だったのでパイの権利を持っているサンクチュアリーだけがベストのものが作れるのだ。
モンタナスやサンズ・オブ・タイム、トゥ・オブ・イーチなど本当にいいものばかりだが、やはり最高のものはジャッキー・トレントとペトラ・クラークの2人に集中する。
一気に心をつかまれる高揚感に満ちたフックをいとも簡単に生み出せるのはトニー・ハッチとトニー・マコウレイだけだろう。
サウンドのヴォリュームもあるし、そのセンスの良さでトニー・ハッチはバカラックを超えている。とにかく絶対買うべきコンピである。(佐野)

Call Me: Songs of Tony Hatch

2002年8月2日金曜日

☆Simon & Garfunkel:『Live From New York City,1967』(Columbia-Legacy/61513)

サイモン&ガーファンクルが1967年1月22日にニューヨークのフィルハーモニック・ホールで行ったライブが突如、リリースされた。
ポールのアコースティック・ギターだけのバックで、二人が歌う極めてシンプルなものだが、これがS&Gの原点である。
ポールのギターはため息が出るほど上手く、ガーファンクルのヴォーカルはいつ聴いても心が洗われるようだ。
全19曲、ニューヨークという二人が暮らし、そして最も似合う場所で行われた初期のライブをじっくり味わってもらいたい。(佐野)

Live From New York City 1967

☆Brian Wilson:『Brian Wilson Presents Pet Sounds Live』(東芝EMI/66088)

まずこのアルバムの基本内容。今年の来日でも披露した『Pet Sounds』全曲再現ライブのライブ盤だ。
ブライアンのバッキングクルーのハーモニー、サウンド作りのうまさには改めて舌を巻くばかり。ビーチボーイズでも出来なかったことが、このバンドでは可能になった。ブライアンの歌は、音程がキッチリ取れており、何よりルーズに歌っていない。
日本公演でもブライアンの歌は、ひとつひとつの音階をはっきりと歌わずに、ややつながって聴こえることがしばしばあったが、これはグッド。
先にイギリス、アメリカ盤が発売されていたが、ずっと後になって発売された日本盤は、『Live At The Roxy Theatre』の場合と同じく収録曲が多く、同じものをまた買わなければいけない事になった。しかしこういう場合はしようがない。
その日本盤のみのボーナストラックは "Meant For You" と "Friends" 。
憎いよね。ヒット曲なら我慢のしようもあるが、『Friends』の曲だと無条件降伏だ。 "Meant For You" はかなりピッチが早い。
"Friends" はとってもお洒落な仕上がりで、この軽快さがライブで再現されているなんて凄い。
 そう言えば今のツアーでは "Busy Doin' Nothin'" をやっているとの事、うーん、これは凶悪、たまらない。(佐野)


☆Various:『Party At The Palace』(BBC 0857) DVD☆Various:『Party At The Palace』(EMI 724381283325) CD

先日行われたエリザベス女王即位50年記念でバッキンガム宮殿で行われたライブが DVD , そして CD 化された。
DVD はノー・リージョンなので輸入盤が山ほど入っている。 CD は1 DVD の2/5しか入っていない短縮版なので、コレクター以外買う必要はないだろう。
 さて内容だが、まずはアメリカからのゲスト、ブライアン・ウィルソンだ。
"California Girls" 、 "The Warmth Of The Sun" 、 "God Only Knows" 、 "Good Vibrations" の4曲と、1曲だけが多い他のアーティストと比べ破格の扱い。
そしてブライアンはなんとネクタイ着用だ。 "The Warmth Of The Sun" はエリック・クラプトンとデュオで、クラプトンギターもフィーチャーされている。 "God Only Knows" はコーズと交互に歌う。しかし何と言っても "Good Vibrations" 、レコードの緊張感、高いテンションが完璧に再現されている。今のブライアンのバンドだけしか到達できていない。よく見るとクリフ・リチャードが一緒に歌っているが、クリフは若いなあ。
 続いて個人的にとても嬉しいレイ・デービス。ユニオン・ジャックのジャケットで登場し "Lola" を歌う。しかしレイ様、髪の毛が薄くなった気が…。でもイカしたオヤジだ。カッコよく年をとっている。
ポール・マッカートニーの登場は3曲だ。髪の毛を黒く染めたポール、いつもより若く見える。
まずはエリック・クラプトンがリード・ヴォーカルをとる "While My Guitar Gently Weeps" だ。今は亡きジョージの親友のクラプトンがこの曲を歌うのは感動的だ。そしてクラプトンのギターは…泣いている。本当に泣いている、さすがクラプトンだ。
続く "All You Need Is Love" のイントロは "ラ・マルセイエーズ" かと思ったら3音で "ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン" になったのは最高だった。 "She Loves You" を大きく歌うエンディングも、いかにもこのコンサートに合わせていて洒落ている。センスがいいよなあ。
最後は "Hey Jude" 。 "Good Vibrations" 、 "Lola" での観客の合唱も "Hey Jude" も大合唱にはとてもかなわなかった。名曲の中の名曲である。
 なお CD ではブライアンの初めの2曲、 "While My Guitar Gently Weeps" がカットされ、レイ・デービスは1曲だけなのに全面カットされてしまった。まったく最低である。(佐野)