2002年3月20日水曜日

☆Neil Sedaka:『Let The Good Times In』(Brill Tone 555)

ブリルトーンによる驚異の未発表音源集も、バリー・マン、キャロル・キング、ジェフ・バリー、エリー・グリーンウィッチに続いていよいよニール・セダカの登場となった。
個人的に最も切望していた上に、オールディーズ時代ではない66年から70年代前半のデモが中心と、これ以上ない最高の作品集になった。曲のクオリティはバリー・マンを凌ぎ、このシリーズのハイライトと断言できる。
ハーモニー・グラスが歌った "Teach Me How" やフランキー・ヴァリの "Make The Music Play" 、モンキーズ "The Girl I Left Behind Me" 、シェール "Don't Hide Your Love" 、ウィッシュボーン "Let The Good Times In" 、ホンデルス "Kissin' My Life Away" 、レスリー・ゴーア "Magic Color" 、ボビー・シャーマン "Cold Girl" などなどニールが書いた66年から70年の隠れた名曲をピアノ弾き語りで歌ってくれるのだから夢のよう。ニールはピアニストとしても嘱望されていたピアノの名手であり、ピアノの弾き語りはそんじょそこらのレベルと違うのだ。
もうこれを読んだ方、特にソフトロック・ファンは泣くでしょう。信じて黙って買うこと。おまけに57曲中32曲が未発表曲・未発表ヴァージョンだ。完全な未発表曲でもいかにも70年代のニールらしい爽やかさに溢れた72年の "Don't Hide Your Love" やアップのビートとキャッチーなメロディが心地よい68年の "Where Do We Go From Here" 、67年の気品漂う "Plastic Dreams And Toy Balloon" 、70年代のセダカ流ホワイト・ドゥ・ワップ "Sayin' Power" など素晴らしい曲が一杯。 "Sayin' Power" はホワイト・ドゥ・ワップが苦手な私も◎だった。
68年のシングルS.G.Cでの2枚のシングルの内 3 曲、そして69年にオーストラリアでリリースされた『Sounds Of Sedaka』が全曲収録されている。S.G.C.のシングルでのベスト・ナンバー "Jeannie" が入らなかった事だけが謎だが、個人的には2002年のリシュー大賞は、この CD がリリースされた3月で既に決定してしまった。
という流麗なメロディ、巧みな転調、ハイトーン、ノンビブラートで伸びやかなヴォーカルと全てが揃ったニール・セダカ、いつでも最高だ。(佐野)

Let the Good Times in

0 件のコメント:

コメントを投稿