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2002年3月9日土曜日

☆Happenings:『I Got Rhythm』(Magic 3930161)

B.T.Puppy という個人レーベルが災いしてか、 CD 化が遅れているハプニングスだが、94 年の Sequelからのベストに続き、ようやく 2 枚目の CD 化が実現した。
このアルバム一見ベストのようだが、25 曲中 1~12 曲目まではセカンドアルバム『Psycle』そのままので、ようやくオリジナルアルバムの CD 化が実現したと言ってもいいだろう。この『Psycle』は3枚ある彼らのアルバムで音楽的にベストの作品なので価値がある。ペダルのコーラスが最高に決まった大ヒット "I Got Rhythm" から始まるこのアルバム、ハープシコードのバッキングとベース、ハーモニーのからみが最盛期のビーチボーイズを彷彿とさせる "That Cold Feeling" でいきなり頂点を迎える。キャッチーなメロディが魅力の "I Believe In Nothing" 、ハーモニーが美しい "I'm Always Chasing Raibows" など聴きどころ十分。フィリップスのフォー・シーズンズ、ビーチ・ボーイズが好きな人には絶対だ。そしてボーナストラックには "See You In September" "Go Away Little Girl" という大ヒットした名曲を始め、ファースト・アルバムのベストナンバーである "The Same Old Story" "You're Coming On Strong, Babe" というボブ・ミランダの書いたオリジナルがしっかり収められていた。イタリアのサンレモ祭でリリースされたイタリア語によるシングル "Quando Verdo" という貴重な曲も収められている。シングルB面の "Anyway" が入っていることも見逃せない。ただ、ファースト・アルバムのベストナンバーではもう1曲、ボブ・ミランダ作の "Girl On A Swing" が落ちていたり、ヒット曲の "Goodnight My Love" やハプニングスのナンバーの中でもベストの1曲 "Randy" がないという欠点もある。これらの曲は Sequel の方には入っていた。ただこの Sequel 盤は後期の曲が多く不満足な選曲だったので、うまくいかないものだ。1枚だけ比較すればこの Magic の方がハプニングスの魅力をより伝えてくれるだろう。そしてファースト・アルバムはアナログで買いましょう。(佐野)

I Got Rhythm

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