2002年2月27日水曜日

☆Various:『Voices Of The Millennium』(ポリスター 6007)

久々のミレニウムものと思ったがこれはちょっと違う。
と言うのはここに収めれらた音源はミレニウムの時のデモではなく、サジタリアスのセカンド『The Blue Marble』を録音していた時のデモが中心だからだ。確かに今までの様々なコンピでこの時代だけが抜けていた。やっとこれでミッシングリングが埋まったのである。
この CD で嬉しいのはサンディ・サルスベリーの曲が入っていた事だ。特にキャッチーなメロディと暖かいサウンドの "Measure Of A Man" は素晴らしい。 "Midnight Sun" , "Little Lost & Found" の出来はサンディにしてはそこそこ。同じくサンディが作曲した "NavajoGirl" のデモはホーンがないので特に間奏の印象がまったく違った。 "Come To Me Baby" ではポップサイケの『The Blue Marble』サジタリアス・サウンドが楽しめる。
いよいよこれでトゥゲザー時代も打ち止めだろう。ボールルームからミレニウムへ続くサウンドを愛するソフトロックファンにはマストアイテムだ。
なおこの CD のライナーで、Magic Islandはリー・マロリーのソロ収録のテイクと別の曲かと思うほどアレンジが違う、と書いたが、これは別の曲と比較していたので完全な誤り。基本的に同じヴァージョンなので、ここで訂正させていただきます。(佐野)


2002年2月21日木曜日

Radio VANDA 第 23 回選曲リスト(2002/3/2)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。

 
第一特集Cyrkle

1. Red Rubber Ball ('66)
2. Cloudy ('66)
3. Turn-Down Day ('66)
4. The Visit ('67)
5. Two Rooms ('67)
6. Reading Her Paper ('68)
7. It's A Lovely Game,Louse ('70) ...from O.S.T. "The Minx"
8. The Minx ('70) ...from O.S.T. "The Minx"

 
第二特集冨田勲 Works Part2

9.新日本紀行 ('6?) ...別テーマ
10.
現代の映像 ('6?)
11.
すすめ!ラッシー
('65)
12.
「坂道の教会」挿入歌 ('72) ...:西郷輝彦。LP用の企画ドラマ。曲のタイトルはない。

13.
「坂道の教会」挿入歌 ('72) ...:西郷輝彦。LP用の企画ドラマ。曲のタイトルはない。
14.
「坂道の教会」挿入歌 ('72) ...:西郷輝彦。LP用の企画ドラマ。曲のタイトルはない。
15.
すてきなラブ・パワー ('85) ...歌はあの野宮真貴。筑波万博「電力館」のテーマ。

 
第三特集Orange Colored Sky

16.Sometimes ('68)
17.The Sun And I ('68)
18.Happiness Is ('69)
19.Help ('7?) ...
インディレーベルへ移ってリリースしたシングル。

 

☆Association:『Just The Right Sound』(Rhino R2-78303)



ライノ・レコードがアソシエイションのアンソロジーをリリースした。
CD 2枚組、全51曲は65年のデビューのジュビリーから、ヴァリアント、ワーナー、マムス、A & M 、 RCA 、そして81年のエレクトラまでコロンビアを除く全時代の代表曲が網羅されたまさにライノらしい充実したアンソロジーとなった。
日本ではヴァリアント、ワーナー、コロンビアの全音源が CD 化されているため、初 CD 化の曲のみ記述しよう。
まず CD はブライアン・コールのペンによる未発表のメンバー紹介曲 " The Machine" からスタートする。
次はデビュー曲 " Baby I'm Gonna Leave You" 。レッド・ツェッペリンのカバーでお馴染みのあの曲だ。歌も演奏もまだアマチュアレベルで、後のアソシエイションはこの曲からは感じられない。ヘタながらもっとハーモニーが付けられた片面は未だ未 CD 化のまま。
そしてブラザー・ケインのシングルは知っていたが、アソシエイションのヴァージョンは初登場の " Better Times" 。カート・ベッチャー&リー・マロリーが書いたアップの明るい曲だ。
そしてラリー・ラモスの66年のソロ・シングル " It'll Take A Little Time" 。存在をも知らなかった貴重な音源である。70年にリリースされたカート・ベッチャー参加の " Just About The Same" のシングルも実は初 CD 化。ラス・ギグア71年のソロアルバムからは『Pegasus』1曲。
ここからは初 CD 化の曲ばかり続く。まず73年にマムスというレーベルからリリースされたドラマティックで清純なハーモニーの " Names,Tags,Numbers & Labels" 、見事な転調が素晴らしいA&Mの " Carry On" 、パワフルな RCA の " One Sunday Morning" 、エレクトラはキャッチーなメロディとハーモニーが見事に織り込まれた " Dreamer" 、その後のシングルで安定した " Small Town Lovers" と賛美歌のようなアカペラ " Across The Persian Gulf" のカップリングで、この CD はおしまい。
音質面は完璧で、ワーナーのものとその差を比べてみたら。まさにデジタル・リマスタリング。
(佐野)

Just The Right Sound: The Association Anthology

あと、重要な気を付けていただきたい点がある。
この CD のヨーロッパ盤は、タイトルとジャケットが同じながら、上記のレアトラックがほとんど入っていない。
残ったのは同じワーナーグループのエレクトラの3曲と、ワーナー音源のもののみ。 "Better Times" , "Just About The Same" の2曲しか残らず、残りは既発のアルバムから穴埋めをしていた。
落ちたものはJubilee, Columbia, Mums, Hexagram, A&M, RCA の音源なので、ヨーロッパではこちらの権利関係がクリアになっていないのだろう。

この「ダメ盤」はジャケット左の縦の青丸のレイアウトがないので、そこに注意してほしい。
しかし1曲だけジュールス・アレクサンダー作の "Caney Creek" というカントリーナンバーの未発表曲が加えられており、コレクターはこのヨーロッパ盤も必要。
CD 番号が違っておりヨーロッパ盤は Rhino 8122-73591-2 なので初めて買う人は要注意だ。
さらにディスク1の最後にはシークレットトラックで、"Requiem For The Masses" のカラオケも入っていた。
(佐野)





2002年2月20日水曜日

Radio VANDA 増刊号・公開録音スペシャル SOFT ROCK CONVENTION at BRANDIN Part1 (2002/3/10)

※茅ヶ崎:Brandinでの公開放送第1

 
第一特集Round Around The Beach Boys Part.1(佐野邦彦:VANDA

1. Summer '81...Cantina Band('81) Rod McBrien,Tom Dawes,Lou Christieがメンバー
2. The Surfer Moon...Bob & Sheri('62)
オリジナル・シングルより

 

第二特集Tony Macaulay Works(浅田洋:Too Many Golden Oldies主宰)

3. Love Grows...Edison Lighthouse('70)
4. The Lady's In Love With You...Tony Bond('65)
5. Two Little Rooms...Naked Truth('70)
6. Love Grows...Edison Lighthouse('70)
Top Of The Popsより。Tony Burrowsリード。
7. Come Into The Warm...Driftwood('72)
8. Oh My Jo...Tony Burrows('76)

 

第三特集Tony Hatch Works(濱田高志:土龍団会員・音楽ライター)

9. Gotta Get Away...Jackie Trent And Tony Hatch
10. Love Is Life...Jackie Trent And Tony Hatch
11. Where Did We Go Wrong...Sands Of Time
12. Music That Welcomes The Morning...Jackie Trent And Tony Hatch
13. You've Got To Be Loved...Montanas
14. Man Alive...Tony Hatch Sound

 

☆Brian Wilson:『Live At The Roxy Theatre』(ビクター 61788/9)

この2000年7月にリリースされたライブアルバムの内容についてまず紹介しよう。2000年4月8日を含む2日間に渡って録音されたこのアルバム、さすがライブ用のライブだったためか、歌も演奏も日本公演とは比較にならないほど達者である。特にブライアンのライブは、ブライアンがキーを外さないか、バックコーラスがきれいにハモるか、この2点が不安材料なのだが、このCDはほとんど問題がない。もともと曲は極上の曲ばかりなのだから、ここがクリアになれば鬼に金棒、後は無条件に酔えばいい。日本公演にはないオマケが、ウィンダム・ヒルのアルバムにピアノ曲として収録されていた「This Isn't Love」がトニー・アッシャーの詞が付けられ爽やかなヴォーカル曲に変貌していたことと、「In The Nighttime」のタイトルだった古い未発表デモが「The First Time」のタイトルで登場したことだ。この2曲の初登場曲に加え、「'Til I Die」の前には「Brian Wilson」のタイトルが付けられたほぼアカペラの小品が入りメドレーとしてつながっていた。実に心憎い演出である。実際のライブから「South American」「Surfin' USA」「Wouldn't It Be Nice」「Sloop John B.」「Your Imagination」「Help Me Rhonda」「Barbara Ann」「Fun Fun Fun」の8曲が外されたが、CD2枚に渡る24曲が堪能できた。その後2回のリイシューがあり今回5 曲入ったボーナストラックの内 "Sloop John B." , "Barbara Ann" は Oglio盤と同じ。
"Wouldn't It Be Nice" と "Help Me Rhonda" はイギリス盤のボーナストラックだとか。歌い出しが不安定な前者は若干フラフラしているもののなんとかこなし、後者はキーを下げて対応した。
そして日本のみのリリースなのが最後の "Fun Fun Fun" 。ブライアンはこのアップのビートに乗った名曲を見事に歌いこなしていた。音程、ハーモニー共にベストの出来。何度もリリースされたこのアルバムは本盤が5曲多く決定版なのでこれだけを購入しよう。(佐野)

Live at the Roxy Theatre
                 

2002年2月18日月曜日

☆Duncan Browne:『Duncan Browne』(EMI 5356232)

"On The Bombsite" というソフトロックの超名曲を生み出したダンカン・ブラウンが、68年の『Give Me Take You』の次にリリースした73年のセカンドアルバムが CD 化された。
既に5年が経ち、変わったところと変わらないところの両方を合わせ持つ仕上がりになった。
まずボーナストラックに入っていた1年前の 72 年にリリースしたシングル "Send Me The Bill For Your Friendship/In The Mist" が予見していた。A 面はエレキ、ベース、キーボード、ドラムが入ったロックナンバー、B 面は以前のようなアコースティックなリリカルなバラードで新旧合わせ持つ内容だったと言えよう。
アルバムで変わったところは1曲目のタイトなロックナンバーや、ラストのサイケデリックなナンバー。しかし残りの曲はいい意味で変わらない。クラシカルでトラッド感溢れるギターとメロディ、繊細なヴォーカルは、ピート・タウンゼンドのソロとある意味で共通している。アメリカでは決して生まれない "音" がダンカン・ブラウンにはある。
そしてボーナストラックの未発表曲 "Guitar Piece" は、アコースティック・ギターの名手である彼の実力を改めて見せてくれた。(佐野)

ダンカン・ブラウン