フーの代表作のみならず、すべてのロック・ライブ・アルバムの最高峰である『Live At Leeds』が遂に完全版で姿を現した。史上最強のライブ・バンドであるフーが最も充実していた70年に録音されたこのアルバム、タイトルのとおりリーズ大学で70年2月14日に録音されたライブの全てだ。私事で恐縮だが、フーで一番最初に買ったレコードがこのアルバムからカットされた "Summertime Blues" のシングルだった。ちょうどこの70年のことになる。まるで爆撃機のようなヘヴィなギター、ベース、ドラムのアンサンブルに血が踊った。中1の時だったが、翌71年にようやく LP で最新版の『Who's Next』を買い、ハードなビートを内包しつつもリリカルで美しいサウンドに驚き、スタジオ録音のフーの魅力にさらに引かれていった。それから30年、遂に完全版を聴けるようになったのだから、喜びもひとしおだ。ディスク1は数年前にリリースされた 8 曲がプラスされた(1曲はディスク2 へ) "Special Edition" である。ディスク1については以前 VANDA 本誌でレビューしているので割愛するとして、注目は "Special Edition" から回った1曲を抜いた19曲が初 CD 化のディスク2 だ。ディスク2 全体が『Tommy』であり、たった3 人で演奏し、4人で歌いながら、緻密さをまったく失わないテクニックとコンビネーションに脱帽するしかない。だいたいスタジオの名盤というのはライブになると雑になるのが常だが、フーは違う。さらにダイナミズムがプラスされ、あまりのカッコよさに言葉を失った。やっぱりフーは最高だ。(佐野)
0 件のコメント:
コメントを投稿