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2001年10月11日木曜日

☆Cyrkle:『Red Rubber Ball』(Sundazed 11108)☆Cyrkle:『Neon』(Sundazed 11109)

Sundazedがサークルのコロンビア音源の完璧な CD 化を実現してくれた。未発表トラックまで入り、これでサントラの『The Minx』以外のサークルは完成である。まず『Red Rubber Ball』から。このファースト・アルバムはなんと初 CD 化なのだ。ブライアン・エプスタインに見いだされ、ジョン・サイモンがプロデュースに付き、ポール・サイモンから書き下ろしの "Red Rubber Ball" をもらって全米2位のデビューを果たしたサークル。グループ名の名付け親はジョン・レノンという豪華さだった。このファースト、典型的なフォーク・ロック・アルバムで、ポール・サイモンの曲とジャック・ケラーの "Turn Down Day" 以外は地味な印象だ。さてこれから肝心なボーナストラックを紹介しよう。未発表曲はインストの "Downtown Blues" と "How Can I Leave Her" , "Money To Burn" のデモで、出来のいいものではない。ただ、 "How Can I Leave Her" の歌のたどたどしさがGSを彷彿とさせ個人的には微笑ましい。 初 CD 化はB面曲の "The Words" 。トム・ドウズのオリジナルで、まさにフォーク・ロック。初 CD 化ではないが、シングル・オンリーのドラマティックな "Reading Her Paper" はサークルの最高傑作のひとつだ。なおシークレットトラックで、彼らのインタビューが入っている。セカンド・アルバム『Neon』は、全体的なクオリティがぐっと上がっている。ポール・サイモンやバカラックのナンバーもいいが、愛らしい "Two Rooms" とボサノヴァの "The Visit" が素晴らしい。まさにソフトロックだ。さてボーナストラックだが、未発表曲ではまず作者不明の "You Can't Go Again" 。アップテンポのなかなかキャッチーなナンバーだ。シタールが入らない "Don't Cry,No Fears,No Tears Comin' Your Way" の別テイクは、歯切れがよく、こちらの方が魅力的。そして今回の CD 化のハイライトが "Terry's Theme" 。解説のドミニックは気づかなかったと見え、何も書いていないが、この曲は "The Minx" の別ヴァージョンである。ホーンやフルートが加わったより完成された印象の見事なボサノヴァだ。67年の録音とあるので、70年の『The Minx』よりかなり前に録音されたものだと分かりこれには驚かされた。初 CD 化はB面曲の "Friends" 。カントリー・タッチのナンバーだが、重なり合うハーモニーが心地よい佳曲だ。シークレットトラックは、 "The Cyrkle For United Way" という未発表のジングル。(佐野)
レッド・ラバー・ボールネオン(紙ジャケット仕様)


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