ビーチボーイズを脱退したアル・ジャーディンが、マットとアダムという二人の息子と、ブライアン・ウィルソンの二人の娘、ウィルソンズことカーニーとウェンディを中核に作ったグループが、このアル・ジャーディン、ファミリー&フレンズだ。マイク・ラブとの対立などが原因で別れたため、それまでのビーチ・ボーイズのバッキング・クルー、ジミー・ヒンチやエド・カーターもこちらのメンバーになった。いくら脱退したと言っても、ビーチボーイズを愛するアルなので、全27曲中26曲がビーチボーイズ・ナンバーであり、原曲に忠実なアレンジ、見事なハーモニーで、実に安定した仕上がりになっている。最近のブライアンのライブでのバッキングが凄いのでそれ以上ということはないが、ビーチボーイズのライブより明らかにクオリティが高い。そしてリード・ヴォーカリストとしてのアルの声の良さが持ち歌の "Sloop John B." や "Help Me Rhonda" などを聴けば際立っており、カール亡き後のビーチボーイズにアルの声がないのはまさに致命的と言えよう。個人的に好きなのは "Hawaii" と
"Catch A Wave" 。ウィルソンズがリードを取るナンバーも結構あり、特にカーニーが歌う "Darlin'" は素晴らしい。 "Break Away" も文句なしだ。 "God Only Knows" は彼女達のリードで始まるから、スピリチュアルな空気が保たれている。最後の曲は "California Energy Blues" といういかにもアルらしい内容のカントリーソングだが、ちょっと暗い仕上がりで出来はあまり良くない。 "Lady Lynda" や "California" のような冴えが見られなかったのはちょっと残念。裏ジャケには見事に痩せたカーニー(右端)が写っているので注目。なんとミニスカートだ。(佐野)
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