一足早く日本盤がリリースされていたが、いよいよイギリス本国より本命盤が登場した。なにしろこの CD は日本盤より1曲多い。日本盤もパイ時代の音源はモノ・シングル・ヴァージョンも含めコンプリートだったが、この英国盤には未発表だった "StepInside Love" がさらにプラスされている。そう、もちろんポール・マッカートニーがシラ・ブラックの為に書いた曲だ。ビートルズ・コレクターもこれは見逃せない。そして解説には、今まで見たこともない彼女らの貴重な写真が満載、「色物」ではあるが、意外と可愛い彼女らのフォトの数々も注目だ。まだ購入していない人は迷わずこのCastle 盤を買うべきで、既に買ったしまった人は、もう一度買い直しましょう。さて、本 CD は、同タイトルの彼女らの唯一のアルバムがベースになっているものの、アルバム自体はいわゆる名盤ではない。彼女らの歌はおせいじにも巧いとは言えず、さらにアルバム収録のカバー曲の出来がよくない。反面トニー・マコウレイの書いたオリジナル曲はいい。それも唯一のヒットとなった "Something Here In My Heart" 他計4曲のアルバム収録のマコウレイ・ナンバーよりも、ボーナス・トラックに収録されたマコウレイ作のシングル "Someday" "My Life" が素晴らしい。以前から何度も力説しているが、いきなり最高にキャッチーなフックからスタートする "Someday" は、数あるソフト・ロック・ナンバーの中でもベストの1曲だ。フィル・スペクターを意識した "My Life" も面白い。そして冒頭にも書いた "Step Inside Love" がカバーながら実にいいのだ。ゴージャスなアレンジにちょっとたどたどしいような舌足らずのヴォーカルがピタリとはまる。これは収穫だった。なお既に紹介済みだが、日本盤に比べ Castle のピケティウィッチは2曲多く、ジェファーソンに至っては13曲多く、重なったものは全てCastle盤を選ぼう。そして来月には『Butterscups & Rainbows』というトニー・マコウレイ=ジョン・マクレオド作品集がCastleリリースされる。 CD 2枚組で全50曲、内2/5は初 CD 化だ。いやーこれは最高の贈り物、Castle のリリースを楽しみに待とう。(佐野)
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