2001年7月11日水曜日

☆Pickettywitch:『That Same Old Feeling』(Castle/265)

私にとって今年のベストリイシューの1枚は、間違いなくこの CD だ。ジョン・マクレオドがプロデュースと作曲で核となりながら、トニー・マコウレイもシングルで曲を提供、マコウレイのワークスの中でも傑作がこのピケティウィッチに残さた。何と言ってもこの CD が凄いのは "The Complete Recordings" の副題。そう、ピケティウィッチの全ての音源がこの1枚でまとめられたのだ。ピケティウィッチのコレクティングには、今までそれぞれ収録曲が違う UK と US のアルバムをそれぞれ揃え、さらにシングルのみの音源を集めていかなければいけなかった。そのシングルの出来が良く、こつこつと集めていったものだが、すべてこれでクリアーになった。まずやはりマコウレイ作品から。ポップなタイトル曲 "That Same Old Feelings" もいいが、ベストは流麗な "(It's Like A) Sad Kinda Old Movie" 、これで決まり。あとシングル・オンリーだった "Bring A Little Light Into My World" もとってもポップでグッド。続いてマコレオド作品。この人はボサ・タッチの作品に抜群のセンスを発揮する。 "There He Goes" もいいが、ベストはシングルのみの "Point Of No Return" 。 "Dreamin'" のボサ風味も心地よい。キャッチーさではシングルの "Summertime Feeling" 。その他の作家ではレス・リード=ゲオフ・ステファンズの"Baby I Won't Let You Down"が爽やかさで群を抜き、大名曲。全ナンバーでも "Sad Old Kinda Movie" とトップを争っている。 CD の最後はポリー・ブラウンが脱退して男性ヴォーカルになった、初めて聴く3曲。ラストの未発表曲 "Fugue" はハーモニー・ポップの傑作で、こんな曲も出来たのかと驚かされた。この CD はソフト・ロック・ファンなら絶対の、そして最高の1枚だ。(佐野)
That Same Old Feeling - The Complete Recordings

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