このアルバムは71年にゲイリー・アッシャーが同タイトルのオリジナルの物語を、コンセプト・アルバムにしようと作曲をディック・キャンベルを依頼し、ゲイリーとディック、そしてカート・ベッチャーで73年までの3年間でレコーディングを進めていったものだ。曲はすべてゲイリーとディックの共作で、プロデュースはゲイリー自身が行った。しかし結局、このアルバムの企画はボツになってしまうのだが、こうして30年ぶりに姿を現した。曲はアコースティック・ギターがサウンドの中心で、そこに3人の美しいハーモニーが付けられた。メロディはサンディ・サルスベリーがいたミレニウムとは違いポップでキャッチーな曲というものはなく、ややくすんだ感覚のフォーク・タッチのものが多い。そう、サジタリアスのセカンド・アルバム『The Blue Marble』をシンセサイザー抜きにしたものと思えばよい。そしてこの澄んだ音は70年代のものだ。カートがリード・ヴォーカルを取ったのは3曲で、それはこのアルバム用ではないデモ集に収録されている。その9曲のデモの作曲もすべてゲイリー&ディック。(佐野)
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