昔からサンディ・サルスベリーは最もポップで、カート以上の曲を書けると押していただけに、先日リリースされたサンディのCD『Sandy』はちょっと期待はずれだった。というのも輝いていたのはシングル3枚の曲で、初めて聴く未発表曲のインパクトが薄かったからだが、『Sandy』より前の67年から69年に録音されたこの未発表曲集は、我々がサンディに期待していたとおりの素晴らしいものだった。まず冒頭の「Falling To Pieces」からノックアウト、キャッチーなコーラス部分の上手さは天性、歌もコーラスも実に爽やか。続く「A Little Bit Of Love」は、軽快でお洒落なポップ・ナンバーでとても愛らしい仕上がりだ。3曲目の「So Close To Heaven」は、コーラス部分のメロディの持っていき方がまさしくトニー・マコウレイで、知らなければマコウレイ作品の勘違いしてしまうほど魅力的なナンバーだった。さらに4曲目の「Bring Me On Back Home Again」はギターの音色とハーモニーが素晴らしい佳曲。その他では「Do Unto Others」がシングルとは違うややラフでワイルドなヴァージョンが収められ、力強いパワーポップでカッコいい。高音を響かせたギターが効果的な「Lonely Girl」のデモは完成ヴァージョンに負けない魅力的なアレンジが施されていた。珍しいサンディとゲイリー・アッシャーという組み合わせの「Together In The End」は、ギターのリフとキャッチーなメロディが組合わさったなかなかの傑作といえよう。バックにはカート、リー・マロリー、マイケル・フェネリー、ジョーイ・スティック、ダグ・ローズ、ロン・エドガーと完璧にミレニウム。このアルバムはおすすめだ。(佐野)
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