2000年11月16日木曜日

☆Lee Mallory:『That's The Way It's Gonna Be』(TYO/0038)

ボールルームからミレニウムまで、長くカート・ベッチャーと共に活動したリー・マロリー。その彼のカートがプロデュースしたシングル2枚に未発表曲、デモを加えたのが本CDだ。全14曲の中で光るのはやはりシングルの4曲。それもファーストの2曲がずば抜けている。「That's The Way It's Gonna Be」のアヴァンギャルドさはどうだ。ポップなメロディとサイケデリックなサウンド、そして革新的なカートのハーモニーが合わさったこの曲は66年の作品とはとても思えない。B面の「Many Are The Times」はサウンドはオーソドックスだが、虚空から現れるようなカートのハーモニーが凄い。ブライアン・ウィルソンのそれとは明らかにまったく違う、カート独自のスタイルである。セカンドの「Take My Hand」は一転、ポップでキャッチーな曲になった。これらのシングルの同時期に録音されたのがトラディショナルの「Wild Mountain Thyme」で、さらにオーソドックスなサウンドながらハーモニーはさすが。残りのカートが関係しないデモはロック調のものが並び、ミレニウムのサウンドとは遠い作品ばかりだった。(佐野)
That's the Way It's Gonna Be

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