2000年11月20日月曜日

Radio VANDA 第 8 回選曲リスト (2000/12/7)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。


 
第一特集: Ron Dante

1. Muddy River Water...Ron Dante ('70)
2. Look At Me...Ron Dante ('65)
3. Think...Ron Dante ('66)
4. The Absence Of Lisa...Ron Dante ('67)
5. Brandy...Eighth Day ('68)
6. Sayonara Baby...C. G. Rose[alias] ('68)
7. That's What Life Is All About...Ron Dante ('72)
8. Don't Call It Love...Bo Cooper[alias] ('73)
9. Charmer...Ron Dante ('74)
10. Midnight Show...Ron Dante ('74)
11. Yellow Van...Ronnie & The Dirt Riders[alias] ('76)
12. Shaking Hands With The Wind(from Acetate)...Ron Dante (?)

第二特集: More

13. In The Mirrors Of Your Mind...Definitive Rock Chorale ('65)
    Composed by Teddy Randazzo
14. High Time...Barry Mason ('70)Composed by Tony Macaulay
15. Have Yourself A Merry Little Christmas...Happenings ('66)


2000年11月16日木曜日

☆Lee Mallory:『That's The Way It's Gonna Be』(TYO/0038)

ボールルームからミレニウムまで、長くカート・ベッチャーと共に活動したリー・マロリー。その彼のカートがプロデュースしたシングル2枚に未発表曲、デモを加えたのが本CDだ。全14曲の中で光るのはやはりシングルの4曲。それもファーストの2曲がずば抜けている。「That's The Way It's Gonna Be」のアヴァンギャルドさはどうだ。ポップなメロディとサイケデリックなサウンド、そして革新的なカートのハーモニーが合わさったこの曲は66年の作品とはとても思えない。B面の「Many Are The Times」はサウンドはオーソドックスだが、虚空から現れるようなカートのハーモニーが凄い。ブライアン・ウィルソンのそれとは明らかにまったく違う、カート独自のスタイルである。セカンドの「Take My Hand」は一転、ポップでキャッチーな曲になった。これらのシングルの同時期に録音されたのがトラディショナルの「Wild Mountain Thyme」で、さらにオーソドックスなサウンドながらハーモニーはさすが。残りのカートが関係しないデモはロック調のものが並び、ミレニウムのサウンドとは遠い作品ばかりだった。(佐野)
That's the Way It's Gonna Be

☆Sandy Salisbury:『Falling To Pieces』(TYO/0037)

 昔からサンディ・サルスベリーは最もポップで、カート以上の曲を書けると押していただけに、先日リリースされたサンディのCD『Sandy』はちょっと期待はずれだった。というのも輝いていたのはシングル3枚の曲で、初めて聴く未発表曲のインパクトが薄かったからだが、『Sandy』より前の67年から69年に録音されたこの未発表曲集は、我々がサンディに期待していたとおりの素晴らしいものだった。まず冒頭の「Falling To Pieces」からノックアウト、キャッチーなコーラス部分の上手さは天性、歌もコーラスも実に爽やか。続く「A Little Bit Of Love」は、軽快でお洒落なポップ・ナンバーでとても愛らしい仕上がりだ。3曲目の「So Close To Heaven」は、コーラス部分のメロディの持っていき方がまさしくトニー・マコウレイで、知らなければマコウレイ作品の勘違いしてしまうほど魅力的なナンバーだった。さらに4曲目の「Bring Me On Back Home Again」はギターの音色とハーモニーが素晴らしい佳曲。その他では「Do Unto Others」がシングルとは違うややラフでワイルドなヴァージョンが収められ、力強いパワーポップでカッコいい。高音を響かせたギターが効果的な「Lonely Girl」のデモは完成ヴァージョンに負けない魅力的なアレンジが施されていた。珍しいサンディとゲイリー・アッシャーという組み合わせの「Together In The End」は、ギターのリフとキャッチーなメロディが組合わさったなかなかの傑作といえよう。バックにはカート、リー・マロリー、マイケル・フェネリー、ジョーイ・スティック、ダグ・ローズ、ロン・エドガーと完璧にミレニウム。このアルバムはおすすめだ。(佐野)
Falling to Pieces

2000年11月6日月曜日

☆Bruce Johnston:『Going Public』(Edsel/697)

今から9年ほど前に日本でCD化されたのでWeb VANDAをご覧の方ならお持ちの方が多いと思うが、現在は廃盤で海外ではリイシューされていなかった。今回エドセルからリリースされ、これでまだお持ちでない方もようやく入手できるようになった。77年のこのソロは、ビーチ・ボーイズ脱退後、バニー・マニロウが歌って75年にグラミー賞最優秀歌曲賞を受賞した「I Write The Songs」の作者として再び注目されたブルースが、79年に再びビーチ・ボーイズにその力を請われて復帰するまでの間にリリースされたものだ。メロディ・メイカー、ブルース・ジョンストンの面目躍如の美しいナンバーが並ぶ。プロデューサーはゲイリー・アッシャー、カート・ベッチャーもコーラス・アレンジに参加した「カリフォルニア」の仲間で作られたアルバムだ。さて既にこのCDをお持ちの方も要注意。最後の「Pipeline」は[Extended Version]なのである。これは同年に12インチシングルとしてリリースされた6分27秒のヴァージョンで、通常のLPヴァージョンより2分近く長い。カートのリミックスにより鳥の声やパーカッション・ソロが挿入されたトロピカルなものだ。この12インチは現在ではかなり入手が難しかったが、このCDでOK。(佐野)
歌の贈りもの(紙ジャケット仕様)

☆Duncan Browne:『Give Me Take You』(Immediate/057)

Sanctuary Record GroupのCastle Musicの中のSequelからリリースされたのが本CD。Immediateとあるが、実質はお馴染みのSequelが作っている。さて、このCDはかつて『Soft Rock A to Z』でも紹介したイギリスのシンガー・ソングライター、ダンカン・ブラウンのデビュー・アルバムの待望の初CD化だ。リュートのような音色のアコースティック・ギターをベースに、ハープシコードなどのキーボードと小編成のストリングス、ホーンのバッキングを加えただけのシンプルでクラシカルなサウンドが、バロック風のダンカン・ブラウンのメロディによく調和する。漂う気品はイギリスならではだ。このアルバムのベストナンバー「On The Bombsite」は何度聴いても素晴らしい。格調高いメロディとハンドクラップ、ハープ、女性コーラス、トランペット、オルガンによって徐々に盛り上がってくる構成は完璧。CDにはモノ・シングル・ヴァージョンやデモ(ほぼ完成しているが)も収められ、70年にBellからリリースされたシングルも収録された。(佐野)
Give Me Take You



☆Curt Boettcher:『Misty Mirage』(Poptones/5007)☆Sandy Salisbury:『Sandy Salisbury』(Poptones/5008)

 先に紹介した『Millennium Again』に引き続き、Poptonesレーベルからこの2タイトルも発売された。どれも日本のDreamsville(TYO)レーベルのものに収録されていない曲があるので要注意。まずカート・ベッチャーはDreamsvilleの全曲にさらにプラスして5曲が収められたお徳用。その5曲とはサンディ・サルスベリーが書きそうな明快な「Louise」、カチッとしたハーモニーが魅力のフォークロック・ナンバー「Rest In Peace」、オールドタイミーな「Bank Americard」、短いながらも華やかなハーモニーにひたれる「Crown Paper Towels」それに「Baby It's Real」のInst。歌の入ったものが4曲あり、それもミレニウムのデモのようにレベルの低いものではないので、これは買いだ。まだ購入していない人がいれば迷わずこちらのPoptonesの方を買いましょう。サンディ・サルスベリーの方は逆に「Sweet Sweet Cinnamon」、「Every Minute Of My Life」、「Spell On Me」(Demo)の3曲がカットされたがその代わり「Once I Knew A Little Dog」のInstが収められた。こちらはコレクターのみ注目。(佐野)
Misty MirageSandy by Salisbury, Sandy (2001-08-14) 【並行輸入品】