バリー・マンの『Survivor』と並ぶ傑作『Lay It All Out』が遂にCD化された。数年前ならバリー・マンって誰?という音楽ファンが大半だったが、今では「好きな作曲家はバリー・マン」なんて人がぐっと増え、このアルバムを待ち望んでいた人も多かったはず。さて、71年のこのアルバムはバリー・マンの2枚目のソロアルバムで、プロデューサーはアル・ゴルゴニ。人生の機微を知りつくしたような「男」の魅力がバリー・マンの声にはある。前から言い続けているが、私にとってはバリー・マンの曲はバリー・マン自身が歌うと最も映えると思っているし、最も引かれている。このアルバムは『Survivor』に比べて華やかさは少ないが、いぶし銀の輝きがあり、それぞれの曲のクオリティは極めて高い。特にメリハリの効いた「When You Get Right Down To It」と美しいバラードの「Something Better」が気に入っている。嬉しいことにボーナス・トラックにアルバム未収録シングルのドラマティックな名作「Carry Me Home」と、ゆったりした広がりが魅力の「Sundown」が収められた。この中の「Carry Me Home」はブリッジの上昇していく演奏部が10秒も長い別ヴァージョン。これはちょっと冗長で、コンパクトなシングル・ヴァージョン(Radio VANDA6月号で放送済)のブリッジが正解だ。(佐野)
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