☆タイガース:『1967-1971 The Tigers Perfect CD Box:Millennium Edition』(ポリドール/POCH9033-44)

　10年前にも発売されたタイガースの71年に解散するまでのすべてのアルバムを集めたボックス・セット。LPサイズのボックスに、CD12枚と、48Pの詳細な解説・資料・写真集が付いたまさにこれが決定版だ。前回のボックスに付加されたのが『The Tigers A Go Go:ザ・タイガース・チャリティーショー実況録音』のディスクだ。これは67年12月13日の大手町サンケイホールの録音で、68年にアポロンからカセット、オープンリール、8トラック・カセットの3種類で発売されたもののそれぞれ違うその選曲の全てがこのディスクに収録されている。洋楽のカバーが多いが「ブルーシャトウ」のカバーには驚かされた。また『Legend Of The Tigers』には『20世紀ポピュラー大全集』のみ収録されていた2つのビートルズ・メドレーが新たに追加され、これも初CD化。タイガースはオリジナルが少ないので、スパイダースなどに比べ、後年の評価がいまひとつだったが、ゴージャスで美しい「銀河のロマンス」のような楽曲や、加橋かつみのヴォーカル参加もあって壮大な仕上がりを見せた『ヒューマン・ルネッサンス』というアルバムは、今になるとこれらは日本のソフト・ロックの傑作だった。旧態依然としたロック史観、GS史観を離れた再評価が、タイガースには必要だ。(佐野)