2000年6月26日月曜日

Radio VANDA 第 3 回選曲リスト(2000/7/6)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。
Radio VANDA
は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。


第一特集Roger Nichols 作曲集

1. We've Only Just Begun...Mark Lindsay('70)
2. Let's Ride...Roger Nichols & The Small Circle Of Friends('68)
3. Always You...Sundowners('68)
4. Poto Flavus...John Andrews Tartaglia('68)
5. The Drifter...Roger Nichols & Paul Williams(Demo)('70)
6. Out In The Country...Three Dog Night('70)
7. I Kept On Loving You...Heaven Bound With Tony Scotti('72)
8. Talk It Over In The Morning...Shiloh Morning('74)
9. I'm Gonna Find Her...Steve Lawrence('7?)

第二特集富田 勲ミニ特集(Tomita Isao)

10. マイティジャックの歌('68)
11.
銀河少年隊('63)
12.
ガリバーの宇宙旅行('65)
13.
戦え!オスパー('65)

 

2000年6月24日土曜日

☆Millennium:『The Millennium Continues』(Trattoria/5873)




先月の『The Second Millennium』に続くミレニウムのデモ集第2弾。前作はマイケル・フェネリーの作品が多かったが、こちらはリー・マロリーの作品が共作も含め12曲中7曲あり、リー・マロリー色の強いデモ集と言えるだろう。ミレニウムでの作曲者はサンディ・サルスベリーとカート・ベッチャーが最もメロディアスで、続いてマイケル、そしてリーと順に地味になっていくのだが、やはりというかこのアルバムのデモは地味な曲が多い。そして「Breakdown」「Such A Good Thing」、「No Other Love」の3曲はミレニウムとは思えないR&Bナンバーだった。この中では「All That I Am Is Me」と「Share With Me」のデモが、アコースティック・ギターの音色が美しくミレニウムらしくていい。フォーク調の「Sunshine Girl」もなかなか楽しい。「Prelude」~「To Claudia On Tuesday」はオーバーダブ前のベーシック・トラックと言えばいいだろう。ただミレニウムというパイを、カートとサンディでまず美味しい部分を取り、前作のミレニウムで残った部分のいい所を取ったので、このアルバムはその残り物という感じは否めない。ただし歴史的価値は十分。私を含めて研究者は必聴だろう。(佐野)
ミレニウム・コンティニューズ

☆Sandy Salisbury:『Sandy』(TYO/31)

ミレニウムのメンバーの中で最もキャッチーな曲を書く才能を持つサンディ・サルスベリーのTogetherレコードでの未発表アルバムがリリースされた。プロデュースはもちろんカート・ベッチャー。アルバム全11曲の中にはTogetherでリリースされた3枚のシングルの計6曲が収録されているが、これらのシングルをみな持っていたため、本作が期待できることはあらかじめ予想がついていた。まず既発表から紹介すると、パワー・ポップの「Do Unto Others」、フリートウッズのカバー「Come Softly」がベスト。前者はビートとハーモニーが合体した快作、後者はほぼアカペラで歌われ、その幻想的なハーモニーとサウンドは出色の出来。こちらは後にカート・ベッチャーがカリフォルニアの幻のプロジェクト『Passion Fruit』でこのヴァージョンそっくりに吹き込んだいきさつもあった。ビーチ・ボーイズの「With Me Tonight」をアップテンポの楽しい曲に変えた「On And On She Goes」、トミー・ロウに提供した「These Are The Children」を思わせる牧歌的な「Once I Knew A Little Dog」、快調なバブルガム・ポップ「Goody Goodbye」もよく、6曲ともみなハイレベルだった。初登場の5曲はカントリー・タッチの曲が多く、サンディの音楽的趣向が伝わってくる。その中ではAメロがビートルズの「It's Only Love」にそっくりな「Baby Listen」がカートならではハーモニーが心地よく気に入ったが、アルバム全体では既発表曲を超えるものはなかった。おまけのデモ3曲ではピアノの弾き語りの「Every Minute Of My Life」が印象に残る佳曲。なおこれでサンディの残るソロ音源はOur Phonograph Recordsでリリースされたシングルの「The Best Thing」のみとなった。(佐野)
Sandy


2000年6月22日木曜日

☆Return To Waterloo/Come Dancing With The Kinks (Image/ID4705LYDVD) DVD

このDVDはかつてビデオで出ていた2タイトルを強引にくっつけたお徳用。『Return To Waterloo』はレイ・デービスが監督した85年の映画で、本人もチョイ役で出演、シュールでシニカルな作品だ。音楽はすべてこのためのソロ作品とキンクスの曲、かつてLDで出ていたが今は廃盤だった。『Come Dancing With The Kinks』は84年のミュージック・クリップ集。ノスタルジックで楽しい「Come Dancing」や、大道芸人に扮したカッコいい「Do It Again」などのプロモはLDの『The Kinks 1964-1984』、「You Really Got Me」「Lola」「Celluloid Heroes」のライブはLD『One For The Road』に収録されていたが、これもどちらもとうに廃盤。そしてレイが中年のにけやた紳士に扮しパーティーのダンス・パートナーを探す傑作プロモ「Don't Forget To Dance」はこれが初の映像ディスク化。この1曲のためだけにもキンクス・ファンは購入しよう。(佐野/Special thanks to すみやサイバーショップ)

2000年6月19日月曜日

☆Pete Townshend:『Lifehouse Elements』(Eel Pie)

 インターネットのみで販売されている『Lifehouse』のCD6枚組セットから抜粋された1枚もののセレクションがリリースされた。曲目はOne Note-Prologue/Baba O'riley (Inst.)/Pure And Easy/New Song/Getting In Tune/Behind Blue Eyes(New Version)/Let's See Action/Who Are You (Gateway Remix)/Won't Get Fooled Again/Baba M1/Song Is Overの11曲。10曲は『Lifehouse』と同じなので紹介しないが、「New Song」は本CDが初登場なのでこれのみ紹介。ご存じ「Who Are You」の冒頭の曲のデモで、さすがピート、アレンジのほとんどが完成している。コアなファンはこの1曲のために買っておこう。(佐野)

2000年6月10日土曜日

☆南沙織:『Cynthia Anthology』(ソニー/SRCL1-6)

 このWeb VANDAで南沙織とは、驚かれた方も多いと思う。なぜ紹介したかと言うと、ひとつは私が中学時代、南沙織のファンだったので、懐かしくて買ってみたということ。
 もうひとつはこのボックス・セットがCD5枚にDVD1枚のセットという、今後のボックス・セットの未来を先取りした仕様だったことだ。

 まず曲からいくが、このボックスには彼女のすべてのシングルのAB面が収められており、彼女の曲は14枚目のシングルまで筒美京平が作っていることもあって、筒美ポップスを十分に味わうことが出来る。ただし、個人的には後半のAOR系のバラード系は好きではなく、初期の軽快な作品の方がいい。ただ、ベスト・トラックは中期の筒美作品「想い出通り」かな。
 ソフトロック風のこの曲は良かったが、やはり南沙織は歌謡曲であり、歌謡曲ファンじゃないと延々聴き続けるのはちょっと辛い。さてDVDだが、かつてLDでリリースされマニアの中で高値を呼んでいた「Hello Cynthia」が丸ごと入っていた。この中で一番の見ものは当時のプロモの「潮風のメロディ」だ。他の映像のオーバーラップはあっても1曲ちゃんと歌っているのが嬉しい。この頃の南沙織はかわいかったなー。
 まだ返還前の沖縄から来た彼女はとても清楚で、ミステリアスで魅力的だった。私の南国の島好きは「冒険ガボテン島」と南沙織がルーツなのかもしれない。(タヒチのボラボラから始まって、昨年は与那国島、今年は波照間島が予定と大の南国の島好き)「夏の感情」も当時のライブである。

 これからはボックス・セットには当時の映像を収めたDVDが付くというのがどんどん増えていくんじゃないかな。曲で振り返るだけでなく、やはり当時の映像も見たいというのがファンなら当然のこと、今まで本腰を入れられていなかった映像を、DVD時代の今どんどん発掘してもらいたいものだ。(佐野)


2000年6月8日木曜日

☆山下達郎:『On The Street Corner 0 Analog』(Moon/LJS4)

 山下達郎の『On The Street Corner』のアナログLPの1から3に入っている応募券を送った人にのみ全員もらえる非売品のスペシャル・ボーナスLP (既に申し込み)がようやく届いた。予告ではEPと記されていたが12インチのLPで、未発表曲である「She's Gone」の英詞だけでなく対訳まで載せたスリーブまで付けた、とてもオマケとは思えない立派な作りはいかにも"山下達郎"で納得。そして何よりも先に届いたCDヴァージョンとは、全て曲目が違うのが嬉しい。A面は89年4月7日の宮城県民会館大ホールでの「I Only Have Eyes For You」と「So Much In Love」と、99年2月11日の大阪フェスティバルホールでの「おやすみロージー」のアカペラという"LIVE"サイド。もともとアカペラに近い「おやすみロージー」だが、こうやって完全なアカペラで聴けるのは嬉しい。B面は"UNRELEASED"サイドで、まずは完全な未発表曲「She's Gone (With The Wind)」のリハーサル・ヴァージョン。Fred Parris=Nat Mosleyのペンによるこの曲を、生ギター1本のバッキングで爽やかなアカぺラで歌い、ボツがもったいない出来栄えだ。そして「Fragile」を使った「The Opening For"Performance 98-99"」、「飛遊人」を使った「The Opening For"Performance 91-92"」、さらにドゥ・ワップのジングルで作った「The Opening For "Performance 84-85"」の3曲は、山下達郎のコンサートに行った人には特に嬉しい贈り物。本人が登場するまでのこのアカペラが、こうやってディスクで聴けるとは思わなかった。全体的にカラオケ中心のCDの『オンスト0』より、このLPの『オンスト0』の方が、お宝音源満載でレア度は高い。なお既に申し込みは締め切られている。(佐野)

2000年6月6日火曜日

☆Various.:『The Warmth Of The Sun』(Varese Sarabande/3020661172)

このコンピレーションは、ディーン・トーレンスが描いたジャケットのとおり、ビーチ・ボーイズ、ゲイリー・アッシャー風のサーフィン・テイストの曲を集めたものだ。リック・ヘンの素晴らしいバラード「Girls On The Beach」(ビーチ・ボーイズの曲とは別)を目玉に、トレード・ウィンズの「New York's A Lonely Town」、イエロー・バルーンの「Yellow Balloon」、ファースト・クラスの「Beach Baby」、さらに60年代のサジタリアス、ロニー&ザ・デイトナス、ホンデルス、サファリーズ、アストロノウツから70年代のハドソン・ブラザースの「Rendezvous」(ブルース・ジョンストン作)、エリック・カルメンの「She Did It」まで有名曲が幅広く収録されている。このあたりは既に揃えている人も多いだろうが、注目は90年代の音源で、ジェフリー・フォスケットの2曲がいいし、アラン・ボイド、フラターナル・オーダー・オブ・ジ・オールもビーチ・ボーイズ=ブライアン・ウィルソンのエッセンスをよく吸収していて楽しい。個人的に嬉しい「新発見」はルビナーズの「As Long As I'm With You」で、ビートの効いた軽快な演奏にファルセットのハーモニーが映えたこの傑作は必聴。実は彼らの77年のデビュー・シングルのB面曲だった。(佐野/Special thanks to Elliot Kendall)
Warmth of Sun: Songs Inspired By Beach Boys

2000年6月1日木曜日

☆Terry Melcher:『Royal Flush』(BMG/37125)




テリー・メルチャーのソロ・アルバムは第1作の『Terry Melcher』が既にワーナーからリリースされているので、このセカンドのリリースで、日本のみリイシューが完成した。75年にリリースされたこのアルバムはテリーのメキシコへの憧憬が強く出たアルバムで、地元のカリフォルニアへの愛憎半ばした感情と合わせて、繊細なテリーの内面を伺わせる内容になっている。マリアッチ、カントリー色が濃く、今聴くとなかなか味わい深いアルバムだ。当時はブルース・ジョンストンが参加しているという理由だけで購入したため、一度聴いたきり放置していたが、CD化されまた聴くチャンスを与えてくれた。この中の「Take It To Mexico」はシングル・カットされた時にはTerry Melcher & Bruce Johnston名義(Bruce & Terryだ)でリリースされている。テリーは後にドラッグ中毒で廃人の一歩手前まで行ったが、ブルースらがビーチ・ボーイズのプロデューサーとしての仕事を与えて、テリーを心身ともに復帰させている。(佐野)
商品の詳細

☆Millennium:『The Second Millennium』(TYO/0027)




 カート・ベッチャーのソロ・ワークに続き、今回はいよいよミレニウムのデモ・テープ集が登場した。全14曲中、ミレニウムのアルバムに実際入った曲は2曲だけで、前述のカートのソロに入っていた曲が1曲あったが、残りの11曲は、初お目見えの曲ばかり。その11曲の内8曲がマイケル・フェネリーがジョーイ・スティックもしくはリー・マロリーと書いた曲で、さらにミレニウムの2曲も彼の曲と、このアルバムはマイケル・フェネリー・デモ集とも言うことができるだろう。さて、肝心な曲だが、そのシンプルな演奏はいかにもデモ。しかしマイケルはサンディ・サルスベリーに継ぐメロディ・メイカーであり、演奏は軽快、ハーモニーも十分で、出来のいい曲は多い。特に哀調を帯びた美しいバラード「The Ways I Love You」、ラテン風味の浮遊感漂う「Suspended Animation」、弾むビートが爽やかな「Dying With You」、キャッチーなフックが心地よい「A Younger Me」は傑作。サンディらが書いた「I Just Don't Know How To Say Goodbye」のコーラスも魅力的だ。全体的に曲はフォーク色が強いものが多く、次いでカントリー、乾いたロックもあり、試行錯誤をしながらのバラエティに富んだ曲をこのミレニウムのプロジェクトは大量に作り出し、その中から取捨選択していたようだ。ただ完成度という点ではあくまでもデモ・レベル、これだけ聴けば普通のフォーク・ロックだが、『Begin』ではプログレッシブなソフト・ロックに劇的に進化する訳で、その変化は驚異としか言いようがない。カート・ベッチャー、そしてゲイリー・アッシャーの才能の凄さを逆の意味で思い知らされた。(佐野)