2000年4月26日水曜日

Radio VANDA 第 1 回選曲リスト(2000/5/4)



Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。
Radio VANDA
は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。


 
第一特集:My Favorites Soft Rocks

1.We Can Fly…Cowsills('67)
2.Don't You Know…Butterscotch('70)
3.Will You Be Staying After Sunday…Peppermint Rainbow('69)
4.My Heart's Symphony…Gary Lewis& The Playboys('66)
5.The Drifter…Roger Nichols & The Small Circle Of Friends('68)
6.I've Got You On My Mind…White Plains('70)
7.The Magic Garden…5th Dimension('67)

 
第二特集:Four Seasonsミニ特集

8.Dawn('64)                                                                                            
9.I'm Gonna Change('67)
10.With My Eyes Wide Open…Frankie Valli('74)
11.The Night('72)


2000年4月24日月曜日

☆5th Dimension:『Up,Up And Away』(Buddha/99665)☆5th Dimension:『The Magic Garden』(Buddha/99667)☆5th Dimension:『Stoned Soul Picnic』(Buddha/99663)☆5th Dimension:『The Age Of Aquarius』(Buddha/99666)☆5th Dimension:『Portrait』(Buddha/99665)

遂に、待望久しいフィフス・ディメンションのオリジナル・アルバムが、1枚目から5枚目まで一気にリリースされた。フィフス・ディメンションと言えば2曲のナンバー1ヒット、加えて5曲のトップ10、13曲のトップ40という素晴らしい実績を持つアメリカを代表するソウル・コーラス・グループ。ところがこの5枚のアルバムの内4枚のプロデューサーがボーンズ・ハウ、アレンジャーにボブ・アルシヴァー、主要コンポーザーがジム・ウェッブを筆頭にローラ・ニーロ、ニール・セダカなど、そしてバッキングがハル・ブレイン、ラリー・ネクテル、ジョー・オズボーン、トミー・テデスコ、マイク・デジーと、このまばゆいばかりの最強スタッフがすべて白人だったため、このグループの評価は後に曖昧なものになってしまう。要はソウル・ファンからはポップスと見なされ、ポップ・ミュージック・ファンからはソウル系とされて、中古レコード店で置き場所もない存在が長く続いていた。しかしVANDA19号で5th Dimension特集をした数年前より、新しく生まれた多くのポップス・ファンが、音楽をスタッフで聴くようになり、同時にフィフス・ディメンションの魅力に気づいていった。アルバムは『The Magic Garden』を中心に中古で「売れる」アイテムに変わったものの、オリジナル・アルバムのCD化はなぜか実現せず切歯扼腕していた。そうした中、待ち望まれていた時のこのリイシュー、CDは5枚揃って飛ぶように売れているという。このフィフス・ディメンションの魅力はアメリカで最高のポップスを生み出した素晴らしいスタッフと、グループ5人の華麗なハーモニーが見事に組合わさったことに尽きる。5人のハーモニーは声量がありながら重すぎず、また軽すぎず、そのバランスの良さは最高のヴォーカル・グループと言う表現にふさわしい。まずデビュー・アルバムの『Up Up And Away』だが、67年のグラミー賞最優秀歌曲賞を受賞したジム・ウェッブ作のタイトル曲「Up Up And Away」が何と言っても光る。どこまでも上昇していくような爽快感が最高だ。そして全11曲中5曲がジム・ウェッブ作品と、ジム色は既に出ているものの、その前の2曲のヒットがスローン=ヴァリ、ジョン・フィリップス作と、全体的にフォーク・ロック色の方がより強く出ているアルバムと言えよう。そして次作『The Magic Garden』はジム・ウェッブがカバーの1曲を除き全ての曲を書き、アレンジと指揮も担当したジム入魂のアルバムになった。何しろジムはこの年にもグレン・キャンベルの「By The Time I Get To Phoenix」でグラミー賞最優秀歌曲賞を連続受賞しており、作曲家としての才能がピークにあった時だったので、そのクオリティの高さは筆舌に尽くしがたい。プロローグとエピローグ、曲と曲の間にはつなぎの別のメロディを惜しげもなく入れるなど完全にトータルなアルバムとして作られた。そしてプロデュースには、同時期にアソシエイションでソフト・ロックの大傑作アルバム『Birthday』を作り出した名プロデューサーのボーンズ・ハウが付き、アレンジャーにはその右腕のボブ・アルシヴァーと、最強のスタッフがバックアップに回る。そして以降のアルバムはこの2人が製作を担当していった。高揚感のある「The Magic Garden」や「Carpet Man」、素晴らしい転調が冴えるドラマティックな「The Worst That Could Happen」、幻想的な「Dreams/Pax/Nepenthe」など、ソウルというカテゴリーはここには完全になく、ポップスの理想の姿が結実していた。当時はまったくヒットしなかったが、今やこのアルバムは永遠の名作として高い評価を得ているのはご存じのとおり。3枚目の『Stoned Soul Picnic』ではローラ・ニーロの「Sweet Blindness」「Stoned Soul Picnic」、そして黒人ライターアシュフォード=シンプソンの「California Soul」の3曲がヒットしたが、これらは前作とうってかわってソウル色の強い作品になった。ただアルバム曲はジェフリー・コムナー作の4曲などポップな曲が並び聴きやすい。そして彼らの名前を決定づけた「Aquarius」のヒットを受けて作られたのが『The Age Of Aquarius』だ。全米1位を獲得したタイトル曲はいつ聴いても本当に素晴らしい。特に2回目のAメロが出て来た時のハーモニーのからみを聴くのは、至福の瞬間だ。ローラ・ニーロの「Wedding Bell Blues」も全米1位、同じくローラ・ニーロの「Browing Away」、ニール・セダカの「Working On A Groovy Thing」も大ヒットを記録、ポップとソウルが融合したフィフス・ディメンションの世界がここで確立したと言えよう。5枚目の『Portrait』にはニール・セダカの「Puppet Man」、ローラ・ニーロの「Save The Country」というポップ・ソウルのヒットが生まれているが、最もヒットしたのが2位まで上がったバード・バカラック作の「One Less Bell To Answer」だった。こういった洒落たポップ・ナンバーを歌えるから、フィフス・ディメンションは魅力的だ。ソウル・ファンから冷たく扱われたフィフス・ディメンションだが、ソウルから離れた独自のスタンスを取っていたため、今になると逆に錆び付いて「ない。なお各CDには貴重なボーナス・トラックも付いているので5枚まとめて買う必要がある。彼らを聴かなくてはポップスは語れない。(佐野)
Age of AquariusPortrait

2000年4月20日木曜日

☆山下達郎:『On The Street Corner 0』(Moon/VCS27)CD Version

このCDは、山下達郎の『On The Street Corner』のCDを1から3まで買った人がそれぞれの応募券を集めて送るともらえる非売品CDだ。内容は公表されていなかったので、届いて初めて選曲が分かった。まずカラオケで「You Belong To Me」「Blue Velvet」「So Much In Love」「Chapel Of Dreams」「Stand By Me」「Angel」の6曲。ちゃんと歌詞カードも付いていたのでさっそく歌ってみたでしょ?そして85年2月24日の神奈川県民ホールでの「Amapola」「I Love You」のライブと、今年1月30日に高田馬場ESPホールでのプロモーション・ライブの「Love Can Go The Distance」のライブ、都合3曲のアカペラ・ライブが収められた。オケは同じなのでリードの歌い方の微妙な違いを楽しめる。なおアナログ3枚を買って同じく応募するとEPがもらえるのだが、この内容はCDと異なるのでこれまた楽しみだ。(佐野)

2000年4月17日月曜日

☆Brian Hyland:『The Joker Went Wild』(Vivid Sound/VSCD742)

 このブライアン・ハイランドのアルバムは、ヒットが生まれなくなったハイランドが、当時ゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズでヒットを連発していた敏腕プロデューサーのスナッフ・ギャレットにプロデュースを依頼して作った66年の快作である。アレンジャーはレオン・ラッセル、アル・キャップスと、ベストの「ギャレット組」で作り上げた。出来上がった音はそれまでのオールディーズ色を一掃、キラキラ輝くようなゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズのサウンドそのものが再現された。そしてハイランドに若々しさが舞い戻る。このアルバムからは「The Joker Went Wild」が20位、「Run Run Look And See」が25位と、4年ぶりのトップ40ヒットが生まれたが、リフの使い方の上手さ、鉄きんの効果的な使い方はこれぞギャレット・サウンドという仕上がり。リフレインの盛り上げが見事な「When You Touch Me」、ゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズと聴きわけがつかない「The Ginie」など「美味しい」曲が目白押し。トニー・ハッチの名作「Call Me」をボサノヴァでアレンジしたカバーも実に爽やかで、この曲はアルバムのハイライトになった。さらにジャック・ニッチェを意識したエコーたっぷりの「3000 Miles」、バッキンガムスのヒット曲のライターとして知られるジム・ホルヴェイとハイランドの共作の「One Night Jimmy」など、聴きどころたっぷり。ブライアン・ハイランドをオールディーズだと無視していた人は是非このCDを聴いてもらいたい。きっと気に入るはずだ。世界初のCD化である。(佐野)


2000年4月11日火曜日

☆Au Go-Go Singers:『They Call Us Au Go-Go Singers』(Collector's Choice Music/0112-2)

 バッファロー・スプリングフィールド結成前のスティーブ・スティルスとリッチー・フューレイがいたことで知られる9人組のオウ・ゴー・ゴー・シンガーズのアルバムがひっそりとCD化された。内容は完全なフォーク。バス・ヴォイスをフューチャーした古色蒼然としたスタイルで、そこにバッファローの斬新性は感じられない。しかし「Miss Nellie」と「High Flying Bird」のリード・ヴォーカルは明らかにスティルスで、特にこのアルバム唯一のブルース・ナンバーの「High Flying Bird」はスティルスのソウルフルなヴォーカルとカウンターのコーラスが見事にからみ、楽しめる。この2曲のためだけにでも買う価値はある。ただ作曲者のクレジットが一切載っていないこのCDの作りはいただけない。Rhinoの傘下だというのにこれでは名がすたる。(佐野)
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