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2000年3月27日月曜日

☆Curt Boettcher:『Misty Mirage』(TYO/0024)

2年前のVANDA24号で、カート・ベッチャー、ゲイリー・アッシャー、キース・オルセンが作ったTogetherレーベルの膨大な未発表トラックの存在について報じたが、そのマスターが遂にまとめて登場してきた。このCDはカートの未発表曲・デモを9曲にジングル2曲、Togetherでのソロ・シングル2曲、さらに歌のないオケとインストを5曲収めたものだ。Togetherのソロ・シングルは大変レアなもので価値は高いが、サジタリアスの『The Blue Marble』と同じマスター管理されていただけあって音もその延長上、ミレニウムを期待しているとちょっとガッカリだ。ミシェル・オマリーのソロ・アルバムに入っていた2曲のカート・ヴァージョンは、Aメロが地味でもサビで聴かせる「Misty Mirage」はともかくとして、「Astral Cowboy」はいかにも地味。みな作曲がカートもしくはカート中心、カート自身はブライアン・ウィルソンのようなメロディ・メイカーではないのでそれは仕方がないだろう。それよりも驚いたのが冒頭の「Tumbling Tumbleweeds」。きらびやかなサウンドに転調を繰り返すポップなハーモニー、実に洗練された高度なサウンドの曲でさすがカートといいたくなる傑作だ。続く「Baby It's Real」はカートとマイケル・フェネリー、サンディ・サルスベリーの共作で、サンディが入っただけあって曲はポップで楽しめる。高揚感のあるサビの盛り上げた方が素晴らしい。リー・マロリーのソロ・シングルだった「That's The Way It's Gonna Be」はガラっとポップなアレンジになり、サイケデリックからジャズ・テイストへ見事に切り替わっていた。デでは「Another Time」がボールルームのCDのデモとは異なるコーラスを一部付けたヴァージョン。そしてポップでキャッチーなリーヴァイスのCMジングルは、カートがこの道でも食っていけたのではと思わせる快調な出来だった。(佐野)
ミスティ・ミラージュ

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