「Butterfly」と並ぶホリーズの 2 大傑作アルバムが、遂に紙ジャケで再発された。この EMI のリイシューが素晴らしいのは、モノとステレオの 2 つのアルバムが一つになったいわゆる 2 on 1 である点で、音圧を感じて迫力のあるモノ、クリアーな音の分解でモノでは聴こえにくいコーラスやバッキングが味わえるステレオと、どちらも楽しめるから素晴らしい。さて 67 年にリリースされたこの「Evolution」は、それまでのアルバムで最高のメロディのクオリティを持ち、力強いギターが前面にフィーチャーされた、見事なパワー・ポップ・アルバムに仕上がっている。“Have You Ever Loved Someday”“When Your Light Turned On”“The Games We Play”の爽快感は痛快無比だ。ポップなメロディと力強いハーモニーが、歯切れのいいギターのバッキングに乗った、ポップ・ミュージックの理想がここに結実している。ソフト・ロック・ファンもこのアルバムは絶対に「買い」である。またバロック調の“Ye Olde Toffee Shoppe”も愛らしいし、サイケ調のギターがフィーチャーされた緊張感のある“Then The Heartaches Begin”も魅力的だ。サウンドに広がりがあり、最も充実していたホリーズの姿が伝わってくるだろう。(佐野)
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