ジョー・ミークの膨大なワークスのリイシューはイギリスで続けられており、ほとんどが CD 化されたが、なぜかこのトーネイドーズだけコンプリートな形でのリイシューがなかった。この作品集はRepertoireの快挙と言えよう。
なんといってもやはり "Telster" が素晴らしい。ジョー・ミークが普段から集めていたというスペイシーな装飾音に導かれ、イギリスに1台しかなかったというオルガンの、心を宇宙へと誘っていくるような魅力的な音色でヴァースが始まり、ブリッジでは美しいギターとピアノによってさらにその世界を広げていってくれるまさに奇跡の名曲である。63年に全米・全英ともに1位に輝いたが、今もまったく古さを感じさせない。作曲もミーク自身で、ソングライターとしての才能も素晴らしいものを持っていたことが分かる。ただこの CD を聴くと "Telster" の影響化の曲が多く、少々辛いかもしれない。しかし "Ridin' The Wind" を聴けば、大滝詠一の "さらばシベリア鉄道" の完全な元ネタであることが分かって興味深いし、シングルB面曲だったので自分達の好きに作ったのか、珍しいスイングするオルガン・ジャズの "Do You Come Here Often" なども非常にカッコいいので、是非手元で楽しんで欲しい。(佐野)
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