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1998年6月9日火曜日

☆Sol De Mexico(with The Beach Boys) : Acapulco Girls (東芝EMI/50683)

最近のビーチ・ボーイズの活動は、ブライアンを含め普通では到底チェックできないほど幅広く、かつマイナー。ガソリン・スタンド売りの CD 、ウィンダム・ヒルのシリーズ、クラシック系のヴォーカル・グループなんていったいどう目を光らせばいいのか教えて欲しいくらいだが、我々ビーチ・ボーイズ・フリークの連絡網は強固であり、必ずどこからか連絡が届く。このソルデ・メヒコというメキシコのラテン・バンドの CD は東芝EMIの担当の方からおしえてもらった。
アルバムの中の "Kokomo" "Acapulco Girls" の2曲にビーチ・ボーイズが参加、 "Kokomo" では出だしと最初のヴァースをマイク・ラブがリード・ヴォーカルを取っていた。この曲はもともとトロピカル調の上、スペイン語ヴァージョンも録音されており、違和感なく(印象もないが)聴こえる。それよりも "Acapulco Girls" だ。これは "California Girls" の歌詞を変え、スペイン語で歌ったものだが、この出来が抜群なのだ。私はもともと原曲を超えることが稀という理由でカバーものにはほぼ興味がないのだが、この曲は別格。原曲との比較ではなく、まったく別の魅力を引き出したという意味でこのカバーは最高だ。弾むようなリズムに乗った爽やかで力強いテノールのリード・ヴォーカルに、トランペットとストリングスのマリアッチ・サウンドがピタリと合った。あのシンフォニックなイントロはないし、メロディの一部は変わり、ファルセットを効かせた独特の厚いハーモニーもないのでコーラスにビーチ・ボーイズが参加しているのか分からない程度と、一聴しただけでは瞬時にこれが "California Girls" だと分からないかもしれない。しかしそれがかえって新鮮で、新たな魅力を引き出した。特に原曲にはない "Acapulco" のコーラス・パートの気持ち良さは格別で、もう目の前はカリフォルニアではなくもっともっと熱く蒼いアカプルコの海。これは絶対にお薦めだ。(佐野)
Acapulco Girls
 







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