1998年6月4日木曜日
☆Rascals:The Rascals Atlantic Years(East West/2821~7)
最初に発売が予告されてから1年8カ月を経て、ようやくラスカルズのアトランティック時代のアルバム7枚のボックス・セットがリリースされた。万華鏡を覗いたように美しいラスカルズの最高傑作である「Once Upon A Time」をはじめ、2枚組の力作「Freedom Suite」、さらにソウル色が増していく「See」とエディ・ブリガティが正式メンバーから外れシンプルなスタイルに戻っていった「Search&
Nearness」の4枚は世界初の CD 化で、これだけでも価値は十分である。ボーナス・トラックは私自身まったく聴いたことがなかった驚きの "A Beautiful Morning" のItalian
Version(イタリアでは "Corri Nel Sole" 。B面は "Sentirai La Pioggia" = "Rainy Day" )、そして "Groovin'" のItalian VersionとSpanish Version、さらに "Lonely Too
Long" "Come On Up" "A Girl Like You"
"How Can I Be Sure" "It's Wonderful" はシングル・ヴァージョンがボーナス・トラックで収録された。シングル・ヴァージョンは基本的にヴォーカル・トラックが異なっている場合もあるのだが、バッキングが同じだと分かりづらい。イントロに靴音のようなSEが入る "It's Wonderful" の方がその違いが目立つ。残念ながらハーモニカの吹き方が違う "Groovin'" のシングル・ヴァージョンだけは収録されなかった。(Rhinoのコンピ CD 「Summer
Of Love Voleme 1」で聴ける)これでラスカルズに関しては後のコロンビア時代の2枚の内「Peaceful
World」は既にソニーから CD 化されているので、本当の意味でのラスト・アルバム「The Island Of Real」が唯一未 CD 化で残るだけになった。アメリカでも「Groovin'」までの3枚しかオリジナル・アルバムが CD リイシューされていない中、すでに8枚が CD 化された日本の突出ぶりは見事だが、これもラスカルズの伝道師とも言える山下達郎氏の尽力のたまものだろう。本来、この CD ボックスは数多くの未発表曲とデモが収録される予定だったのに、それが全て消え、既発表のトラックだけになったのは、ラスカルズ側のギャランティの要求だった。山下達郎さんと電話で話した内容では、テンプテーションズのカバーとか未発表のものがかなりあり、それを上乗せするかわりに〇〇万とか大きな金額ではないのだが、契約を履行するためには受けつけられないとお断りしたそうだ。折り合えなかったのは残念だが、このボックスでも十分過ぎる内容である。(佐野/Special thanks to 萩原健太)
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿