キンクスのリマスター・シリーズの第3弾。どれも名盤揃いだが、この中ではやはり「Muswell Hillbillies」がベスト。音楽的にも、人間的にもどんどん深みを増していくレイ・デービスの才能にただただ圧倒されるばかり。さてアルバムの内容などは「All That Mods」にも詳しく書いたので省略するとして、肝心なボーナス・トラックを紹介しよう。まず「Muswell Hillbillies」は71年9月16日録音の未発表曲 "Mountain Woman" "Kentucky Moon" で、泥臭いこの頃のレイ節が堪能できる。「Everybody's In Showbiz」はライブ・サイドと同じ時に録音された "Till The End Of The Day" "She Bought A Hat Like Princess Marina" のライブが入り、リラックスしたキンクスの演奏が聴ける。「Preservation Act 1」はまずシングルのみだった "Preservation" 。これはRhino盤の CD でも同じだがさらに "One Of The Survivors" のシングル・エディットが入った。アルバムのものとは違いヴォーカルがダブル・トラックでいい。「Preservation Act 2」は "Mirror Of Love" の2回目のシングル・ヴァージョン。ホーンを効かせたサウンドになっていて、キラキラ輝くようなアルバム・ヴァージョンの方が出来が上だ。そして未発表のままだった "Slum Kids" は "Bring It On Home To Me" そっくりのブルース・ナンバーで、ブートにはよく入っていたがこれが初のオフィシャル化となった。ただどういう訳か、女性でなくてレイ本人が歌った "Scrapheap City" のシングル・ヴァージョンが、この中には収められなかった。(佐野)
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