1998年8月21日金曜日

☆Gary Lewis & The Playboys : Everybody Loves A Clown/She's Just My Style (Collectable/2734)

かつてEMIからリリースされていた CD がようやくCollectableから再版さまず「Everybody Loves A Clown」だが、ハープシコードの印象的なフレーズに導かれるハッピーな雰囲気のタイトル曲は全米4位の大ヒットになった彼らの代表曲。そしてこのメロディ、そう、大滝詠一の "君は天然色" の一部分。作曲はレズリー(ギャレット)=ラッセル=ルイスのオリジナル。そして "Chip Chip"  "Let Me Tell Your Fortune" も明るく軽快で聴きものだ。アルバムのハイライトがアデル=ゲルドの書いた "We'll Work It Out" 。イントロのゴージャスなピアノのフレーズ、そう山下達郎の "土曜日の恋人" のイントロそのものなのだ。この曲は弾むようなリズムと流麗なメロディ、素晴らしいピアノのバッキングが一体となった彼らの頂点の1曲だろう。アルバムもプロデューサーのスナッフ・ギャレットとアレンジャーのレオン・ラッセルの力が見事に結集し、彼らのアルバムの中でもベスト3に入る傑作になった。次に「She's Just My Style」だが、このタイトル曲は強いビートに乗った主旋律からアル・キャップスのバス・ヴォイスをさんで眼前が開けるようなきらびやかな高音のギターフレーズが登場する名曲中の名曲。3人のオリジナルで全米3位を獲得している。アルバムはアレンジャーがリー・ベッツに変わり、プロデュースもゲイリー自身が2/3を担当したためか、ギター・バンド的な曲が多くなり、カバーも成功しているとは言い難く、前作に比べて期待外れの内容になった。その中で聴きものはオリジナルの "I Won't Make That Mistakes Again" で、これはギャレットのプロデュース、彼らの力がいかに大きいかよく分かるだろう。(佐野)
Everybody Loves a Clown

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