1998年9月22日火曜日

☆Buckinghams : Kind Of A Drag(Sundazed/6126)

バッキンガムスのデビュー・アルバムの初 CD 化で、これはマイナー・レーベルのUSAからリリースされていたものだ。
 "Don't You Care" などのソフト・ロック・ナンバーや、ガルシオがプロデュースしたブラス・ロック・サウンド、その後のマーティ・グレッブが中心となったポップ・サウンドを想像すると、このアルバムはまったく違う。大半は粗削りなガレージ・サウンドで、R&B色の強い曲も多い。その中で毛色が違うのが、モブのソングライター、ジム・ホルヴェイが書いた3曲で、その中でもいきなりキャッチーなフックが飛び出す "Kind Of A Drag" は素晴らしいポップ・ナンバーに仕上がり全米1位の大ヒットになった。バッキンガムスはシカゴの売れないガレージ・バンドで、その前のシングル4枚はすべて不発だったが、 "Kind Of A Drag" が成功したため、ホーン・セクションのアレンジを担当していたガルシオが、USAからメジャーのコロンビアへグループを移籍させ、さらにマーティ・グレッブを加入させてバッキンガムスはさらに大きな成功を収めることになる。アルバムの目玉はボーナス・トラックに収められた "I'm A Man" 。荒々しくヘヴィでパンキッシュなこのテイクは実に魅力的だ。そして "I'm A Man" はモノの「Kind Of A Drag」のごく初期のプレスのみに収録されていた曲で、プライス・ガイドでも600ドルもの値段がつけられていたウルトラ・レア盤だったため、このボーナス・トラックは個人的にもとても嬉しい収録だ。(佐野)
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