テイチクにいた中村俊夫さんの努力で日本フィリップスの権利をテイチクが獲得、今までGSの宝庫と言われていながら権利を持っていたポリグラム系で死蔵されていたGSのカタログを一気にリイシューしてくれた。
まずはGSの王者、スパイダース。「ザ・スパイダース・アルバムNO1/NO2」(TECN20387)、「スパイダース67~アルバムNO3+6」(6とは「ゴー!スパイダース・フライ!サベージの6曲)(20388)、「風が泣いている~アルバムNO4+ザ・スパイダースの大進撃」(20389)、「明治百年、すぱいだーす7年+アルバムNO5」(20390)、「スパイダース'69+5」(20391)、「ロックンロール・ルネッサンス+6」(20392)の6枚の CD で10枚のアルバムとシングル曲のすべてが収められた。やはりスパイダースは他のGSと比べて曲作り、サウンド、センスのすべてでず抜けている。まずこの6枚だけは是非買うべき。1枚だけなら「明治百年?」だ。続いてタイガースと女性の人気を二分したテンプターズは「ザ・テンプターズ・ファースト・アルバム」(20441)、「5-1=0/ザ・テンプターズの世界」(20442)、「〃オン・ステージ」(20443)、「〃イン・メンフィス」(20444)、「〃アンコール」(20445)の5枚のオリジナル・アルバムとシングル曲。ライブのショーケンの日本語英語が笑える。ジャガーズは「〃ファースト・アルバム」(20477)、「〃セカンド・アルバム」(20478)の2枚で、オムニバス盤参加の曲まで収められた。シングルは素晴らしいが、自分達で演奏したカバーはヘタで、特にビートルズの "Hello Goodbye" は中学校の学園祭レベルで情けない。逆にカーナビーツの「〃ファースト・アルバム&モア」(20476)では、ビートルズのカバーも "Get Back" は堂々としているし、レベル上ということが分かる。それよりもさらにレベルが上なのが寺尾聡がいたことで知られるサベージの「〃コンプリート・コレクション」(20488)。インストの「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」などシャドウズのメンバーが舌を巻いたというくらい見事な演奏で、その確かなテクニックは他のGSとは比較にならず驚きだった。もうひとつがパープル・シャドウズの「パープル・シャドウズ・アルバム&モア」(20489)。あの「別れても好きな人」が元は彼らのナンバーとは知らなかった。テイチクがカタログ管理会社になってしまったため、これらのアルバムが廃盤になるのは時間の問題だ。(フリー・デザイン、ビリー・ニコルス、ジグソーも同じ)ディスコグラフィーや写真も豊富で、計16枚のほとんどが初めてのオリジナル・アルバムの復刻、これはもう今、買うしかない。
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