アコースティック・ギターに 3 声の厚いハーモニーを生かし、CSN & Y を標榜した清新なサウンドが彼らの魅力だった。3 人の中で最もそのポップ・センスを発揮したのは今は亡き日高。半数以上の曲を書き繊細で日本的な曲を得意としたグループの音楽的中心の堀内。独特の泥臭いヴォーカルが印象的な大野と、それぞれ三者が違った個性を持っていた。もともと曲が書けるガロは、オリジナルナンバーで「GARO」「GARO 3」「サーカス」「三叉路」の 4 枚を作ったが、曲もアレンジも大半がプロ・ミュージシャンという「GARO2」「GARO4」「吟遊詩人」の 3 枚があり、これらが交互にリリースされたので、いまひとつ評価が定まっていない。そして皮肉なことにヒットをしたのは前者ではなく、後者だった。ただ今聴いてみると、日高や堀内、村井邦彦の作品を中心にソフト・ロック的なアプローチの曲が多く、新鮮な感覚がある。ガロは日本のポップの草分けだったと言えよう。そしてさらに嬉しいのは以前リリースされていた村井の傑作 "公園通り" や "美しすぎて" のシングル・ヴァージョンなどシングル・オンリーのA面曲を集めた「シングル・ファイル」に、ここで漏れていたアルバム未収録のB面3曲を加えた「シングル・ファイル+3」(アルファ/9192)もリリースされたことだ。これでアルファでのガロの全オフィシャル音源がまとまった。ただ、ライナーが某方面からのチェックのため全員大幅に削られ不本意なものになってしまったことだけが今も残念だ。アルファも会社がカタログ管理だけになってしまったので、廃盤は目前、お早めに。
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