1998年1月28日水曜日
☆Hollies : The Hollies At Abbey Road 1966-1970(EMI/4-93450-2)
EMI100周年に合わせてリリースされたホリーズのこのシリーズの後編がようやくリリースされた。ベスト盤なのでそれぞれの曲のコメントは避けるとして、肝心なボーナストラックについて紹介しておこう。未発表曲は2曲で、グラハム・グールドマンが書いた "Schoolgirl" は、性急なリズムに乗ったマイナー調の緊張感のあるナンバーで、まあまあの出来だった。もう1曲はグラハム・ナッシュ脱退以降の録音であるクラーク=ヒックス作の凡作 "Sign Of The Times" 。その他スタジオでのしゃべリ声までいれたものが2曲あり、ホリーズのコンプリートを狙っている方向けと言えるだろう。(佐野)
1998年1月8日木曜日
Beach Boys:ビーチ・ボーイズ驚異のブートレグ「Unsurpassed Masters」一気にリリース!
昨年末にビーチ・ボーイズの「Unsurpassed Masters Vol.1-4」、「Christmas Sessions」、「Live In
Sacramento,1964,Second Show」と、6枚のブートレグが、その名もSea Of Tunesなるレーベルよりまとめてリリースされた。
最近のビーチ・ボーイズ人気を反映して、ビーチ・ボーイズのブートレグは、過去の音源を手を替え品を替え多数出されているので皆さんも食傷気味だろうが、このブートは違う。とにかく久々に凄いのだ。まず「Unsurpassed Masters」の5CD(Vol.4は2枚組)だが、Vol.3までの内容は「Surfin' Safari」から「Surfer Girl」までの3枚のアルバムのレコーディング風景で、それぞれのアルバムの収録曲が2~9テイクずつ収められた。演奏だけのファースト・テイクから始まってまずバックの完成までのテイク、その後のリード・ヴォーカルだけが入った練習のテイク、そしてコーラスが検討されて完成に向かうテイク、最後はファイナル・ヴァージョンと、それぞれの曲の完成までのプロセスがこれで分かってしまうのだ。ファイナル・ヴァージョンも、正規盤のテイクとは違ってフェイド・アウトが無く完奏しているので、かなりの "ロング・ヴァージョン" となっている。2枚組のVol.4はハニーズ特集で、同じくアーリー・ヴァージョンの嵐。これらのシリーズ全体で "Side Two" "Bobby Left Me"
"Endless Sleep" などの未発表曲のオマケもあった。
「Christmas Sessions」はなんと豪華ロングサイズ・ボックス入りのCD3枚組で、中には16テイクも入った曲もあった。 "Santa Claus Is Coming
To Town" はソロ・パートにコーラスが付けられて更にフォー・フレッシュメン・スタイルに聴こえた新発見もあるし、オケだけ録られた "Jingle Bells" に出会うことも出来た。
もう1枚の「Live In Sacramento,1964,Second Show」は、1カ月ほど前にリリースされた「Live In Sacramento,1964」の続編であり、コンサートとしては先が昼の部だったので、こちらは夜の部が入ったもの。ボーナス・トラックにはコンサート用に練習しているリハーサル・ヴァージョンがぎっしり収められた。
すべての音源はマスターから落としたものと思われ音質は完璧。以前にビートルズの「Ultra Rare Tracks」が登場した時、詳細なレコーディング・データが載った書籍「The Beatles Recorded Sessions」が出た後であったことから、この本の作成のため倉庫に入った誰かがマスターを流出させたと噂されたが、今回はおそらく「Good Vibrations Box」と先の「Pet Sounds Sessions
Box」の関係で、キャピトルの倉庫が入った誰かが横流ししたのだろう。なんとも大胆不敵だが、我々コレクターにとっては嬉しい流出と言えよう。ビーチ・ボーイズのアルバムはこれから以降の63年から66年までが華なので、シリーズ化され続々リリースされることを期待しよう。(佐野)
登録:
投稿 (Atom)