こと音楽の選曲に関してアメリカが日本から影響を受けることは、そうそうあるものではない。しかしこのVarese
Sarabandeの作ったコンピレーション3枚は、日本でのソフト・ロック人気を意識して作られたもので、はっきり言ってコピーと言っていいほど本誌の影響が大だった。
というのも3枚合わせた計42曲の内、34曲が本誌と音楽之友社より出した「ソフト・ロックA To Z」で紹介したもの、アメリカ人でもほとんど知らなかったサンダウナーズの "Always You" (収録のものはシングル・ヴァージョンで必聴)やフリー・デザインの "Kites Are Fun" なんていう選曲は、本誌の影響以外考えられないだろう。ライナーの中では "Soft Pop" と言っているが、ラインナップがHappenings、Classics IV、Buckinghams、Yellow Balloon、Tommy Roe、5th Dimension、Critters、Keith、Spanky & Our Gang、Mama Cass、Love Generation、Innocense、Trade Winds、Chad & Jeremy、Sagittarius、Brooklyn Bridge、Strawberry Alarm ClockなどからRonnie & The Daytonas、Hondells、Arborsまでこの範疇に入れてしまうのはまったく同じ、ここまでそっくりだともう苦笑するしかない。このVarese Sarabandeの社長にかつて会った人から、この社長はM&Mから出ていた「Melodies Goes On : Soft Rock」シリーズの大ファンという話を聞いてはいたが、その後も VANDA をよく読んでいらっしゃるらしい。まあそういういきさつはともかくとして、こういう内容だけに曲のグレードは極めて高い。購入する価値は十分だ。(佐野)
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