VANDA24号で特集を組んだジグソーだが、さっそくここの権利を持つテイチクより、彼らの活動歴の中で最もソフト・ロック的なアプローチを持つ4枚のオリジナル・アルバムの世界初 CD 化と、コンピレーション1枚の5タイトルの CD 化が実現することになった。
ジグソーと言えば "Sky High" 、良くも悪くもこの1曲が際立ち、この曲1曲だけの一発屋と思っている人が多いと思う。しかしジグソーは68年にデビュー、71~2年には優れたプログレ・アルバムを2枚リリースし、この2枚のアルバムはイギリス本国でも100ポンド以上の値段が付けられるほど高い評価を受けたグループなのだ。そして73年にBASFに移籍して「Broken Hearted」、74年に「I've Seen The Film,I've Read The Book」をリリース、そして75年に "Sky High" が全米3位の大ヒットとなってようやく注目されたが、彼らには長い過去があり、素晴らしいアルバムを作り続けていた。「Broken Hearted」以降はグループの大半の曲を書くクライヴ・スコット=デス・ダイヤーのコンビが、キャッチーなメロディに効果的な転調、ヴァースをマイナー、コーラスをメジャーという構成、さらにメロディを対位法で重ねて優れたナンバーを次々と書き始め、 "Who Do You Think You Are" といった名曲を作り出していた。そして彼らの魅力を最大限引き出した "Sky High" でもようやく脚光を浴びたのである。この曲をフィーチャーしたアルバム「Sky High」も前2作以上の高いクオリティの曲が集められていたし、77年の「Pieces Of Magic」にも優れた楽曲が収められていた。コンピの方はソフト・ロックの視点で選曲した、ジグソーの魅力を集約した究極のベスト盤である。オリジナル・アルバムには未発表トラックを含むボーナス・トラックをそれぞれ7~8曲プラスし、コンピレーションにもオリジナル4タイトルの CD にはない優れた曲を選んであるので、どれも入手して欲しい。デビュー期のMusic
Factory、MGM、Fontana、Philips時代のシングルとアルバムの曲も収録され、彼らの歴史のすべてが分かる究極の選曲になっている。オリジナルの4枚は6月21日、コンピレーションは7月下旬リリース予定。さらにこの4枚のオリジナルの後の米英での未発表アルバム3枚も、 CD 化が予定されている。これが実現するとジグソーの音源が、シングルB面や別テイク、さらに未発表曲などほぼすべてが CD 化されることになるので、期待してほしい。(佐野)
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